新しいものを表示

マストドンに書いてる感想の方が長いな…。引っ越しどうしようかなぁ。マスクの一件以前からツイッターしんどいなと感じてはいたので、いずれはとは思ってるんですが、まだ情報収集面では全然あっちのが便利ではあるのよね。

ごく個人的な感想としては、作品の登場人物の苦労とは比べ物にならないけれど、長期の精神疾患持ちとして自分の経験に重なる部分も多かった。自分の体調のことや病気について話さなくてはいけない時、それが自分の能力や仕事の出来とどのように結び付けられて受け取られてしまうのか本当に疑心暗鬼になるんですよ。とはいえ、病気のことを言わないわけにもいかないし。

クリスと審査官の、
ちゃんと体が動かせるじゃないですか→薬を飲めば動けるんです→薬を飲めば大丈夫なんですね
というやりとりが、自分の身にも置き換えられるせいもあってじわじわとこたえたな…。

あと、前面に押し出されてるわけではないけれど、やっぱりこの作品はメンタルヘルスの話もセットになっていて、クリスも審査官の妻のジュードも精神的に苦痛やプレッシャーをずっと抱えているということがちゃんと描かれてると思う。

配信あるしネタバレになるかと思ってツイッターでは書くのを控えたのですが。審査の基準をめぐっての議論が軸になる一幕の終わりで主人公が審査官の首を絞めるというザ・クリフハンガーな事件が起こって休憩、後半はその後始末をどうしようという大騒ぎでドタバタコメディチックという展開で、前半後半でちょっと印象のギャップがあります。

two handerのまま通した方がすっきりはしたかもと思いつつ、個人的には二幕の台詞の方が刺さるものが多かった。審査官もその障碍者の妻も自助自立しか頭にないような人達なのに夫婦関係の相互依存の理想を語るのもこの二人だったり。あと、このカンパニーだからこそできるシーンだと思ったのは、世界を救うために何人なら弱者が犠牲になってもいいと思うかという乱暴な問いに、一人もそうあってはいけないと言う主人公が、では世界を救うために一人の金持ちの白人男性が犠牲になるとすれば?という問いには即答できないところ。

スレッドを表示

演出のソフトリー・ゲイルさんのインタビューで作品背景が語られていますが、コロナ禍の中で今こそ扱うべきテーマとして作られた作品がこれなんです。
bigissue.com/culture/theatre/p

あと、音声ガイドや手話通訳の作品への取り込み方がめっちゃ面白いです。観に来た人たちがフェアに同じように作品を楽しめるよう設計されているのが素晴らしいなと思います。

スレッドを表示

Don't. Make. Tea.
Birds of Paradiseの新作のオンライン配信。福祉制度の改悪のためにベネフィット(すみませんこの例での定訳がわからないので片仮名のまま)を打ち切られてしまった主人公が自立支援の審査を受けるという筋立て。働く能力があるのか否か、支援を受けるに値するかを一度のインタビューで判断されてしまう残酷さ。言うまでもなく国の福祉はネオリベ的価値観で回っていて「柔軟に」審査対象の意欲や能力を評価していく。体の痛みをおしての活動は「可能」、皮肉を言えば「ユーモアがある」、障碍のために辞めざるを得なかった仕事への思いは「モチベーション」として読み替えられてしまう。

じゃあどうするか、のこの先がドラマでありフィクションで、そこはきちんとコメディで笑えるんですが。でも少しネタバレをするなら、この状況はドラマの中でも何も解決はしません。自身の尊厳を徹底的に損なうことでしかベネフィットが得られないというグロテスクな結論が本当にしんどい作品です。

Don't Make Tea どん詰まりとしか言えない結論に本当に気持ちが落ち込むけど、でも面白かった。また落ち着いて感想をまとめてツイッターと並行してアップします。

作品と関係あるようでないようでな感想としては、ロバート・アイクのThe Doctorのあのキャスティング指示の評価にずっと迷っていたのだけど、やっぱダメなんじゃないかなぁと。俳優のマイノリティ性だけを引っ張ってくるような(そして「どの」属性かは明示しない)演出指示は、やっぱりマジョリティだから書けるもののように思える。

さっきウェブサイトを流し見てて気づいたのだけど、例えば今作で健常者の設定のラルフのキャスティングコール。
'We are looking for a male-identifying performer who could be non-disabled or have an invisible impairment for this role.'
My Left/Right Footでも観た彼らの演劇の哲学が、私にはやっぱりしっくりくる。

Birds of Paradise の配信に向けて夕飯とおつまみ用意。

ヨーロッパの観客が現代のイランについて「知る」とはどういうことなのか、インターネットやウィキペディアはコロニアリズムへの批判なくして使えるのか。でも同時に、そうした批判も越えた異文化同士の出会いもきっとあるはずだという願いのようなものもあって、その希望の一つとして劇場という場を作ろうとしているのだと思う。
若干理論先行な感じはあるし、観客との絡みももう少し厚かましく踏み込んでいいのではとも思うのだけど、ポリティカルシアターの意欲作でとても良かったです。
ちなみに、イランのスターの話はマーダーミステリーとして物語の消費やネット上の情報の欠陥の問題として語られていくんですが、これと微妙にオーバーラップする形でイラン/カナダ人のミュージシャン/アクティビスト?の自伝的パフォーマンスのパートがあって、「物語」としては実はこちらがメインかも。
あと、テキストの共同執筆にクリス・ソープが入っててびっくりした。パスポート2冊ある人…(やな覚え方)。

スレッドを表示

Things Hidden Since the Foundation of the World
Javaad Alipoorのテクノロジートリロジーの3作目。WhatsApp インスタグラムに続いて、今作はウィキペディアをモチーフに、90年代に亡命先のドイツで殺されたイランのポップスターの物語を取り上げる。
3部作のどれも観客に実際にアプリを使わせるようなインタラクティブな形でモチーフを作品に取り入れるのが特徴的。でもアリプール自身はITに対してとても懐疑的で、その理由が技術的、メディア論的な事柄だけではなく、明確に今の政治社会問題を理由に技術をテクノロジーを疑っているのが面白い。

とりあえずツイートのコピペ。500文字って結構長いな。

前半のびのび見過ぎてさすがにわけわからんくなり、後半はロックオンした人物だけを執拗に追うことにしたんですが、これは果たして想定されてる鑑賞方法か…?とちょっと考えてしまった。でもギリシャ悲劇のモチーフをたどらないと雰囲気だけで終わってしまう気も。
観に来てるお客さんの多くはたぶんギリシャ悲劇を観に来てるわけじゃなくイマーシブシアターという体験を楽しんでるんだろうなとも思うし、演劇云々とか考えずこういうものと思った方がいいのかもだけど。でもdreamthinkspeakとか観てると、イマーシブの傑作はやっぱこれじゃないよなと思う。
あと、自由に観て良いとか観客にゆだねるとか、良し悪しは観る人次第なコンセプトが(イマーシブや参加型でなくても)そもそもあまり私は評価できないんだよなってのはある。搾取とまでは言わないけど、観客の経験の良いとこどりをするようでずるいなと思ってしまうんですよね。

スレッドを表示

The Burnt City 一度は観とこうと思ってオファーチケットを取ったPunch Drunkですが、まぁ一度でいいかな…。つまらなくはなかったし華やかで楽しい感じは観光にはいいかもですが、演劇パフォーマンス作品としてはやっぱり物足りず、正規の値段では薦めないです。
トロイア戦争の主要人物を軸にしたノンバーバルパフォーマンスで構成されていて、退廃した街の美術を動き回るキャラクターに合わせて観客も移動する。自由に観て回れるというのが売りの一つでそういう設計になっているものの、それを鵜吞みにして自由に観て回ると詰みます。
キャラクターごとのプロットは結構しっかりリニアに組み立てられてて一人を固定して追わないと断片的過ぎる(なのでそれらが互いに交錯するのは確かに見事なのですが)。反面、ついていくキャラクターを選ぶ(エピソード分岐的な)場面がかなり多く、しかも見失うぐらい移動が早い。

私のスーパーバイザーの一人はベルファスト⇔バーミンガムで通勤をしていたのでまぁ行けるんだろうなとは思ったけど、今年の各地空港のカオスっぷりを見てると、国内線だからとか言ってないで今すぐ出発するんだ!と思ってしまって…。
シェイクスピア(と俳優)と北アイルランド問題のテーマに絞って一時間の作品として観たかったかも。ベルファストの訛りでリチャード三世練習してるのとかはすごく面白かったんだよな。

スレッドを表示

Not Now David Irelandの短編二人芝居。ベルファストを舞台に、RADAのオーディションを控えるマシューがリチャード三世の課題を練習しているところにおじのレイが口を出してきて…というつかみはすごく面白くて、全体的にも悪くはないけど、ちょいちょい引っかかるところも。
北アイルランド問題とセクシュアリティ(戯曲読み返すと男性性コンプレックスと言う方が正しいかも)の2つのテーマで前後半が割れていた気がする。個人的には、両者を関連付けるのかなと期待があったのだけど、それぞれの登場人物の個別の問題として終わってしまった感じ。別にこれでもだめじゃないんだけど、テーマの扱いとしてはちょっとマッチョだなとは思う。
あと、父親の葬式の設定どうなったんだ?とか、RADAのオーディションに当日ベルファストから向かうのはひやひやするなとか細かい設定が地味に気になったり。惜しいところが多い作品かも。

御多分に漏れずのツイッターからのお引越しユーザーです。
どう使っていけばいいのか探り探りですが、ひとまず消えたら困る芝居の感想は両方にツイート/トゥートするようにしておこうかなと思います。

Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。