『エブリシング:エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観てきた。基本は軽快で混乱していてコミカルな面もあるよく出来たSF映画だけど、観ているうちにヴォネガットの『スローターハウス5』が連想されてしかたなかった。パンフを読むと町山智浩氏が言及していたので「まさに!」という思い。
ラストがビートルズの『All You Need Is Love』的に決着するのは、そしてそれがアカデミー賞を獲るほどに評価されたのは、いかにもアメリカらしいと感じる。あり得たかも知れない世界、もう一度選び得るチャンスを直接的に描けるのはSFだからこそできることではある。
ただ、選ばなかった出来事、あり得たかも知れない世界を諦めて生きた時を振り返るとき、誰しも苦い思いを噛み締めるのではないか。そしてヴォネガットの作品はまさしくそういう人のためにある、そう思うと、本作を手放しで楽しめない複雑な気持ちが無くはない。アメリカの映画界は変わりつつあるのだろうか。よく出来たエンタメではある。
今日は、円周率の日。
円周率の計算の桁数って、いつのまにか100兆桁に到達してたのね!!
21世紀に入った頃に1兆桁いってすごいとかいってたのに。
その頃まではガウス=ルジャンドル法系(arctanを利用するもの)で計算することが多かったけれど、今はラマヌジャンの級数表示の発展形のチュドノフスキー級数を使うのが一般的らしい(項数を一つ増やすごとに12桁ほど求まる高精度な近似方法)。
そういえば、1兆桁超えたときに使われたのは高野喜久雄の公式であり、合唱などをやっている人ならおなじみの「水のいのち」の作詞者である詩人高野喜久雄氏である。
で、そんなに桁数計算してどうやってそれが正しいのか確かめられるのかってのがあるけれど、なんと16進表示であれば任意の桁を計算できるBBP(ベイリー=ボールウェイン=プラウフ)の公式がみつかり、それを元にしたアルゴリズムで末尾あたりを計算して一致するかたしかめればよくなった。
さらに去年にはプラウフによって10進表示におけるBBP型の公式もみつかったらしい(ちなみにそれ以前からBBP公式のおかげで円周率の1000兆桁目とかは計算されているwww
#数学
絵描きです。弓も引きます。鳥たちを愛しています。ウイスキーも愛してます。
Bluesky と二刀流で使っています。ここでは「購読」で拝見していることも多いです。
絵文字リアクションを非表示にしているため気が付かないことが殆どですみません。
怪しい者ではない…つもりです。
絵描きtoot @m_chloe