「今夜、花山の古御所で会合して計略をめぐらしたい」
との密書が袴垂保輔から平貞盛に送られてくる。これが序幕の「諸羽社の場」でのことで、『戻橋背御摂』のストーリーの一筋が「花山の古御所」に向かうだろうことが当初から示唆されている。
計略をめぐらす場所を古御所としたのは作者の恣意。ストーリー展開のうえでの必然といったものはない。何の計略をめぐらすかも不明。

南北にとって、花山の古御所とは何か。
権威の不在を象徴するイメージ、それがこの古御所だろう。帝が御所を捨てて行方知れず。残されて荒れ果てた御所。そのアナーキーが南北好みなのではないか。
事実としての歴史をたどれば皇位の空白は埋められるが、南北はそれをしない。アナーキーなまま放置して、その上に『戻橋背御摂』を組み立てている。
代わって空位を襲うのが、髭黒の左大将道包という悪役。『戻橋背御摂』前半の時と所はあちこちしているかのようだが、よく見れば髭黒公の皇位僭称に至る一日二日のこと。

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ここでの花山天皇は、不在であることに価値といった存在だが――
fedibird.com/@mataji/112001247

じつはファンの多い天皇らしい。
以下、いずれも Twitter の『光る君へ』関連投稿から。

《テレビをもってないので大河ドラマを見ていないのだが、おれが大好きだった花山天皇が大河ドラマのせいでメジャーになっているらしく、ひじょうに悔しい。おれだけの花山だったのに。》―― twitter.com/zinofrancescatt/st

《花山院、お父上の冷泉院と共に、一部の人に大人気ですな。あの親子は濃い……。》―― twitter.com/spy_in_the_cab/sta

《それにしても花山天皇、輝きがすごい。白が似合うどころか、本郷奏多、発光してるやん。》―― twitter.com/kanaty1115/status/

《花山天皇の出家、「古典B」に入れてない会社がないってけっこうすごくない? 大修館・三省堂・筑摩・明治書院・東京書籍・教育出版・数研出版・文英堂・桐原、全部入ってた。》―― twitter.com/sempreviola/status [参照]

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