お立場……と、とある極秘の事情から宮廷からは離れられない代わり、宮廷に暮らすすべての立場の者を御身自ら守護せんという意思は堅く
参謀をかたわらに置かず自ら軍師をつとめ、特に弓兵の指揮は直接お執りになられるなどヤンチャ……
破天荒な帝にあらせられるが、そのおかげかはたまた『千里眼を持つ』という噂が真であるのか……
宮廷に危害を加えんとするものは外邸の最端の壁から十里の場所にも近づくことは叶わぬという……かつては自身が弓兵だったという噂もあるが……?
その諸々の堅牢さゆえに西の諸国からは諸々を金剛石(だいやもんどだねーアーーー)に喩えられるが
当の本人は「私など玻璃で充分……」と謙虚にも金剛の名を頂くことは固辞し何がなんでも死んでも折れない(謙虚だねー)
なおそもそも不死との噂(ホントだといいなー)なんか北方の帝国のソル帝と設定かぶってない???
不老の噂と百年生きてる噂は噂じゃないけど国では誰も気にしてない
でも最近はなんかよくわからんぽっと出の粗野な武官にもう控えめに申し上げてベタ惚れでなんかもう……僕が先に好きだったのに…………………………
この展開にするにしてもひろしくんは普通にその国か隣国の平民の、
用心棒でござれ赤ん坊の世話でござれのなんでも屋さん的な感じで食ってる変な男……
とかのほうが……
あるとき、町で変な男に絡まれます
「あんた、強いな!オレの側仕えになってくれよ!!」
「は?」
それはやたらと馴れ馴れしく身軽に樹から樹へ、屋根から屋根へと跳ね回る獣族の男でしたが……
ところで、平民生まれの彼はこう考えていました
彼方に見える玻璃の楼——
それを囲むがごとく築かれた堅牢な壁の内側に拡がる小さな街のような世界……
『不老の帝が百年棲まう』
というばかげた噂に聞く宮廷には、己は一生、何の縁もないだろう……と…………