今日、出版社から送られてきた『韓国という鏡』読了。有体に言ってしまえば僕はこの本の宣伝を期待されているわけで、実はこういうのは時々あるのだが、割とスルーしがちなのでちょっと書く。
筆者の緒方義広さんは19年間韓国に住み、弘益大の教員などを務められた方で(今は福岡大の准教授)、幅広い見識と知識に基づいて韓国と韓国から見た日本、そして日本社会にある韓国への(悪意を含む)誤解について書かれている。
まず、批判から書く。この本「韓国について何も知らない人が一冊だけ読むなら」という基準でならとても推せる、いい本だ。だけど、逆のことも言えて、何冊も読んでいる人、韓国のことについて一通り知っている人に新しいことを教えてくれるという部分はあまりない(ただし、例外もある。その話はあとで)。
全体として2017年あたりからの視点で書かれているかな、と思っていたのだが、あとがきによると2013年から2015年ごろまでに書かれたエッセイが原型になっている章が少なくないようだ。もちろん、情報などはアップデートされている部分が多いのだが、2019年頃から先の大統領選挙までの間に韓国の社会や政治には大きな変化が生じてしまったので、でもとか民主主義のあり方とかに関する部分では、少し古く感じられる部分っも少なくない。そういう意味では僕には消化不良な部分が残った。
それから、歴史の話がある。全4章のうちの第二章が歴史問題に充てられていて、それなりに充実した記述になっているのだが、しかしここでも「これが最初で最後の本なら」という感じが付きまとう。内容としては、三年くらい運動圏にいて、それなりに勉強すれば大体わかる、というものでしかないのだ。たとえば、日本による支配に関連する問題にしても、進歩派の活動とニューライトの登場あたりまでは触れられているのだが、その後、あるいはその背景,という話は出てこない。そのへんはお行儀がいいと言えるし、また(読めばわかることだが)筆者がたいへん注意深く自分を中立の位置に置いていることの反映でもある。だから責めることはできないのだが、正直言って僕が書店でこの本を手にして、そして2400円という価格をみたら、黙って棚に戻すだろう。そんな気はする。
とはいえ、そんなすれっからしの目から見ても、「おお」と思う部分もこの本にはある。たとえば1章「韓国という国の日常」は、長く韓国に住んだ人ならではの視点で書かれていて、韓国における在日コリアンの扱い、戸籍の廃止と二重国籍の一部容認、少子化対策など、日本で走ることの難しい情報が結構ある。
また、3章の後半は韓国の大学生世代について書かれていて、競争の厳しさ、「ヘル朝鮮」からの脱出先としての日本での就職志向、その成功例と失敗例など、これまた簡単には知ることのできない情報がある。
なので、学校の図書館などに備えるにはいい本だと思うし、また借りたり貰ったりして読むには良い感じだと思う。ただ、僕としてはもうすこし掘り下げのある本の方が好みかな、と思った。
Twitterの方のむくどりさんの投稿で知ってまあドン引きしたやつ。
私は映画館好きだし、映画館を応援してる。コロナ禍(今もコロナ禍です)で大打撃を受けた業界でもあるし。あのときは本当にかわいそうだった。補償も全然足りなさそうでさ……スタッフの負担もやばそうでさ……。
でもこれは無いだろって。ここで語られる「節電」、市民の生活が電気代高騰によって圧迫されている事実は1ミリも含まれてないんよ。あんだけTVでも新聞でもネットでも取り上げられてるし悲鳴が上がってるのに、ここでの節電は映画代払って楽しんで実行できるらしい。別の世界か?
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/ondanka/etc/eigakannheyorimichi.html
こっちは寒さと光熱費高騰と物価高騰で、何重にもしんどさしかない生活してるよ。
電気? 生きていくために必要なものを使ってるだけ。
「健康で文化的な最低限度の生活」は?
そもそも生活が苦しい身にとって、映画館で映画を観る支出は楽に賄えるものじゃない。
映画代が価値に対して「高い」とは言わないが、財布から楽に出せる額じゃない。
横浜市のこの施策は、それすら個人に負担させている。家庭で節電を、外では支出を、個人に押しつけている。人の暮らしを軽視している。
かといって、ここの市政においては立憲民主党も「野党」じゃないし、市長選で現市長を支持してしまった日本共産党も頼りにできない。
近隣地域で自民党のポスターを目にすることが増えていくのと反比例して、統一地方選に対するやる気も日に日に落ちていく。
2020年以降私は映画館にはほとんど行けてないけど、この中には応援している映画館もあったので、どうしてもがっかりはする。
相手は市だから、何かしらの事情はあったのかもね……と想像はできるけど、だからといってがっかりは消えない。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/ondanka/etc/eigakannheyorimichi.html
〈今冬、電力需要に対する供給力不足が懸念されています。
電力需給ひっ迫時には、節電や、電力需要のピークをずらすことが大切です。
家庭の照明や暖房を消して外出することで、「楽しむ」節電をしてみませんか〉
本当に純粋に市が発案した施策だとしても、自公政権など「上」かどこかから課された節電目標を市民に押しつけているのだとしても、クソが極まっている。
https://mainichi.jp/articles/20230127/ddl/k14/020/021000c
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/ondanka/etc/eigakannheyorimichi.html
電力逼迫っていうけど、年末にイルミネーションとかやってたよね。
「経済が回る」ほうには電気を使わせて、家庭では控えろと。
コロナ禍に水道代値上げして、レシ活などという偏りの著しいばらまきやって、物価高騰で困窮している生活を救うどころか、家庭で電気使うの控えろと。
今もなお、医療にかかることもままならないコロナ禍で、国がマスク外すだのなんだのバカみたいなことを言っているなかで、外出を促し、仕事はしろ、外で金でも使ってこいや、でも家で電気は使うな、と。
こっちを生きた人間だと思ってないよね。搾り取る側と搾り取られる側。
こちらも産休育休制度について分かりやすく書かれているので併せてどうぞ。私自身は産休育休に縁はない人生なのですが、仕事で縁がありまくるので(人事、労務業務的に)、同じところで働いていてもこの人には適用されて、この人は辞めねばならないのかーと思うこともあるので、本当にもっと何とかならんのかね…ってとこに、あのリスキリング発言なので怒り沸騰ですわ。
ただ、制度が使える人に萎縮もしてほしくない。使えるものはバンバン使ってほしい。そして、私が使えるのにあの人に使えないのはおかしい、と声を上げずとも思っていてほしい。
そして、年配の女性たちは「私たちの頃はこんな制度なかった。あるだけマシ。」(たまに同世代の人で言う人がいるのよ…)と思わず、私たちの頃になかったけど、あってほしかったことをこれからの人のためにどんどん言ってほしい。
https://financial-field.com/living/entry-39283
産休育休について。馴染みがない人も制度は知っておいて損はないと思うのでシェアしておきます。
①出産育児一時金 一律で42万円(出産先によって40万4千円)
②出産手当金 休業前の収入の3分の2を支給
③育児休業給付金 休業前の収入の67%を支給(半年後から50%)
①は国保・社保加入者対象
②は社保加入者対象
③は雇用保険加入者対象
なので、パート・アルバイトやフリーランスで国保加入の人は①のみ。パート・アルバイトで社保未加入であっても雇用保険には加入していれば③の対象になることもあり(勤務日数や加入期間による)
派遣社員の人で派遣会社の社保には加入している人は多いと思いますが、制度自体が継続雇用を前提としているので契約内容や期間によっては①のみになってしまうことが大半。ただし、申し出て認められなかった場合、監督署に不服申立てをすることも出来る。
①〜③全て無条件に対象になるには正社員か正社員の配偶者であることという、そもそもの制度に穴と線引きがあること。
収入の100%も補償できないで偉そうなこと言ってくるなということ。
申請主義でこちらから申請しなければ教えてくれる人もいないことも多々あること(これはどんな制度でもそう)。
いかに岸田首相の発言が頓珍漢であるかおわかりいただけると思います。
育休産休関連保育周辺事情呪詛
産後の政治的な……行政のいろいろ、「産休」の扱いとか「育休」ない被雇用者じゃない者への扱いとか、絶対一緒恨むもんな。
「何かあったら相談」とか言われてもダラダラ話聞くだけで具体的支援に繋がるわけでもないし、こっちは「睡眠時間ほしい狂う」ってなってるのに「話しに来てね!」とか舐め腐ってんだろって話だし、行政の被雇用者じゃない保護者差別、あれやられたら一発で「子育てにやさしい街」嘘だとわかるもんな。
あんなに差し迫ってる時に積極的に排除されて、頼ろうとか思えるわけないだろクソが。
無理だ呪詛しかわかない。
うちの子が通っていた幼稚園(長期休みも安価にお預かりがあり、平日も夕方遅めまで対応してくれた)には、被雇用者じゃないとかお子さんに障害あるとかで保育園入らせてもらえなかった・い続けることができなかった人たちいっぱいいたもんね。
同居ではない近居で太い実家がある人ほど点数つきやすい仕組みなのも、帰る実家のない、より育児資源ない人には不利なんだよな。実家に頼る前提なのもクソだが。
日本の育児周り行政はもう、原則がクソです。
一生呪詛吐けてしまう。
@tiharu4happy 丁寧に教えてくださってむしろ感謝しかありません……本当に!! 私の方が、長文であれこれとすみません。トゥートに声をかけてくださって、やり取りをしていただいてありがとうございました💫
なんていうか、私も「産まない&育てないから知識を得る必要も、知識がなくて困ることもない」「だから今まで詳しいことを知ろうとしなかった」という点では、ああいう案出しちゃう議員と一緒なんだよなあ……。いや一緒って言ったら暴論だけどさ、気持ち的に。
ごった煮アカウント。漫画と文章と食べ物が好きです。2016年のアニメYOIをひたすら噛み締めています。たまに粉を焼く。人種、ルーツ、外見、障がい、ジェンダー、セクシュアリティ、トランス差別に反対。
最近ちらほらフォローしてくださる方、こっちはほぼ動かしていないサブアカになりますのでご留意ください。
大体こっちにいます→ @kitsunekirin