kisadalog @kisadalog@fedibird.com

鋏のやりとり、「余人がいたら本音を隠す」のは実はオーフェンのほうでは、と思ったが、ならばあの場面でオーフェンが語った言葉のうち、クリーオウに聞かせたくなかったのはどれなのか。

いや糾弾というか「お前に自分の言ったことを思い出させてやってるんだ」の本旨は主人公の決意表明なんだが、読者である私の耳には「他人にはああ言っておきながら自分自身では力を使う誘惑に乗った堕落、そうせざるをえなかった変節」をなじる言葉としても響く。
QT: https://fedibird.com/@kisadalog/111290719769318307 [参照]

「忘れたことを覚えている」が壊滅災害の消去の楔になっているのならば、「聞いたことを忘れた、ということにしておく」がなんなのか。

「忘れる」と「覚えている」、もうちょっと整理が必要だ

サルアが、主人公氏の真意を「読もうとするのはもう諦めた」っていうやつ、やりとりを忘れているより覚えていてなお、のほうが味わい深いので覚えていてほしい。

たぶん、サルアは終端の問答を（そして帆走の会話も）覚えていると思うんだが、そのうえで鋏で主人公に糾弾される、あれはそういうシーンだと捉えている。忘れた言葉をつきつける、それが自分自身の言葉を、問いに対する答えを反故にしたことへの糾弾となる。

「お前に自分が言ったことを思い出させてやってるんだ」……あー。

「忘れる」もまた秋田作品の中では印象的に用いられるフレーズで、では「聞いたことは忘れる。それが仕事だ」とサルアが述べる意味とは。

サルア君から見たラポワントお兄ちゃんは、眉目秀麗文武両道の超絶無敵完璧超人であった一方、主人公氏から見た（年上の男性としての）サルア君は結構隙のある人物であり。
……しかしこの主人公、女性に対しては年上年下問わずあんな感じで、年下の男性はサンプル数が少ないからおくとしても、年上の男性に対する態度がこう、なんかなんというか。

「帆走」読んでこの胸に芽生えた、言いようのないもだもだとした感情は「つまりここまではセーフ、ということなんですね？」だったことに気がついた。（なんの話？）

なんぼギミックやら背景情報やら舞台設定やらが凝っていたり映像がきめ細やかでも、わたしの感覚ではそこのみを取り上げて好意的に評価するのは難しい。

オレンジ版、ヴァッシュとナイヴズが爆発の中に消えるレムを見るという絵をやりたかったのはいいとして、レムが脱出ポッドに乗らずわざわざ残った動機を描かなかったのはなんでだったんだろ。しかも移民船墜落をできるだけ阻止しようとしたのは原作そのままなので、行動の順序がおかしなことになっている。
「爆発と墜落が始まる。→墜落阻止の作業を行う。→ヴァッシュとナイヴズを脱出ポッドに乗せ、自分ひとりだけは残る。」……というの、船に残る動機が別にないと不自然では？

ナイヴズはテスラの件から目をそらさなかったからああなった一方で、ヴァッシュとレムはそこから目を背けた（ふたりは「自棄になるな」「自分を傷つけるな」という話をしても、テスラを実験動物扱いした話はしていない）から「真っ当」な行動を取れた、というのはどうか。

趣旨一貫？

オレンジ版は、ひとつひとつだけを取り出すなら「うーん、あえて槍玉に挙げなくても」といえるにしても、全部並べると「なるほどそーいう意図なんでやんすね〜〜〜」とどうしても思えるぜ。

言いそびれていたネタシリーズ。オレンジ版で、メリルが驚くとロベルトの背後に隠れたり、あるいは飛び出そうとしてロベルトに止められたりするのが繰り返されるやつ、それだけでも「あーあ」だが、最後にはメリルを庇って死んだロベルトのデリンジャーを握って涙をぬぐい前を向く、とその趣旨一貫ぶりには笑ってしまう。

据えたはずの主題から離れて、少年たちが苦しむさまを情緒的に描いたり鑑賞したりするほうに熱が入るのは日本の伝統芸（甲子園を見よ）といえるかもしれない。
QT: https://fedibird.com/@kisadalog/111194207231817536 [参照]

正確さに欠けると思ったので投稿をひとつ削除。

なんでこんなことに……（「いつぞ」「帆走」を抱えながら）。

思ったんですけど、サルア君ってもしかしてひょっとすると「準レギュラー」くらいに表現してもよかったりします？