検索エンジン最適化の過当競争の裏に隠れて目立たなかったけど、かつてAmebaブログはマルコフ連鎖で雑につくった意味をなさないテキストがこっそり繁茂するサービスとして(僕に)知られていた。
自動生成テキストによる情報汚染は、いわばその「腐海」をだんだん地上へ広げていて、精巧につくられた偽情報やプロパガンダとはちがって、ただ鬱陶しいだけになっている。
自己申告制は悪意ある or 無知な汚染を防ぎきれないから、skebみたいにお題指定で少額発注できる機能をそれぞれのテキスト投稿サイトに実装してほしくはある。
運営元の限られた経営資源によるキュレーションだけではなく、ホワイトリスト方式による自浄が働くゾーンをつくるような狙いで。
さすがに経営体制そのものには踏み込めないだろうけど、社内ではドラマ1本あたりの製作費についても議論が及んでいるといいな。チーフプロデューサー&プロデューサーの年間担当本数、かけ持ちできる脚本開発&制作期間、リーガルチェック各種の費用とリードタイム…etc.に直結するから。。。
https://www.ntv.co.jp/info/pressrelease/20240531.html
印刷費があがると、製造原価率を下げるために発行部数を増やすか、本体価格を上げるほかない。
どちらも見込めないとしたら、宣伝・販促費を抑えるか、他の制作費(取材費、原稿料、編集料、翻訳料、デザイン料、校正料…etc.)を削ることになる。
加えて卸掛け率があがると、出版社の諸経費(倉庫代、通信費、旅費交通費、賃料、管理費…etc.)にも節約志向がつよまる。
けれども(新刊、新古書、古本、インディー問わず)書籍市場にはパレート則が働くから、一部の人気作を除けば不採算リスクはどうしても高まる。
そうなると、定期購読者が十分いる雑誌とか、バズをコンスタントに生み出せるオウンドメディアを持たないところは、大なり小なり資金繰りが厳しくなるのではないか。
書籍市場の販売サイクルに合わせて企画を尖らせたり、運転資金を増やせるといいのだろうけど、そうではない中小企業・個人会社は月々のキャッシュフローを回せる収益源がなんであれ欲しいところ。かといって、金融・不動産で稼げるところは多くないはず。
結果として他事業(イベント、広告・PR、開発、コンサル)や他業種(施設運営、飲食店、小売店、一次産業)への進出があちこちで試みられているように見えて、この状況は「近世」の「草紙」市場に回帰しているなと思う。
#文学フリマ東京(A-59)で新刊が出ます!
「知らない本の見つけ方―雑談・検索・選書」
価格は1,000円です〜
【目次】
[雑談]笠井康平+小澤みゆき
「作家の手帖」共同編集長ふたりが、活動紹介を兼ねて、次回作に向けた抱負を語ります。原稿料とは何か、表現の自由をどう支えるか、経営の大変さなどの話題が手短に追いかけられます。
[検索]小澤みゆき
1930年代の翻訳家・葛川篤に関する文献調査をどのように進めていったか、その検索の過程をお伝えします。研究機関に属していなくても個人がわかること・できることをまとめたエッセイです。
[選書]笠井康平
Art(芸術)とWork(労働)をテーマにした全50冊の選書リストです。1.本の市場、2.業界分析、3.海外事情、4.仕事術、5.学術研究の全5章立て。絶版本から今年の新作まで、幅広く取り揃えました。
『知らない本の見つけ方―雑談・検索・選書』の電子版(PDFとnote)の販売がはじまりました!
遠方にお住まいで「 #文学フリマ東京 39」(5/19)に来場できない方も、ぜひオンラインでお楽しみください。ひと足早めの感想も大歓迎です。
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過去のコンテンツもまとめて読みたい方向け:
https://authors-note.stores.jp/items/65575419be9f7e14443673f1
お知らせです!
今秋、ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』の日本初訳の復刊書を刊行します📚訳者は葛川篤。昭和のモダニズム文学を代表する伊藤整や春山行夫らに才能を認められた人物です。当時の雑誌連載を新デザインで書籍化し、歴史に埋もれた訳業に光を当てる試みです。
特設サイトから「刊行通知メール登録」すると、先行予約の案内を受け取れます。紙版の部数は多くないので、気になる方はぜひご登録をお願いします!書店の方のお問い合わせも受け付けています。
本作は「作家の手帖」として作っており、制作・流通面でもインディーズならではの試みを行っています。例えば制作スタッフとの契約締結、執筆前の着手金の支払いのほか、文献調査における権利処理など、重要なポイントもきちんと確認しながら進めています。そうした制作背景も今後発信していきますので、見守って頂けたらうれしいです🙏
ぜひ、ご期待ください〜
たくさんの方にお買い求めいただいたおかげで、個人出版が投資信託よりも高い収益率になったかもしれない(ただし、執筆の労力は考えないものとする)
口あけぬひつじ死んでいる