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「私が学生に言っていることだけれど、制度経済学は健康にもよい。多くの制度経済学者が長寿であることを見てみよ。しかし、医療過誤訴訟に訴えられると困るので、制度経済学が誰にでもよく効くことはないと急いで付け加えたい」(出所『ガバナンスの機構』)

公文俊平や古田隆彦が1990年代を指して「ラストモダン」と呼んでいたと(2000年代の終わりに)知ったとき、「末法思想は武家の台頭と新宗教の勃興で忘れられたっけ」と思ったものだけど、新しい歴史はまぁ当たり前のように始まったし、なんなら楽観的な論調をおいそれと寄せつけないくらいには厳しい進展を示しているのかもしれない(加齢バイアス)

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1970年代はすでに半世紀前のできごとで、戦後世代が明治期を「近代」と呼んだ時間感覚からすると、昭和中期は現役世代にとってすっかり「近代」になってしまったように思う

だいたい知ってることが外国の例で書かれている翻訳書を読了すべきか悩む。

「文化」と「芸術」と「文化芸術」と「芸術文化」はすべて異なる意味をもつが、そのニュアンスはあまりに繊細なので、話者が属する文化圏について暗に表面するシグナル効果くらいしかなくなっている。どうしてこうなったのでしょう。

江戸時代のある時期に、印刷出版の製作コストを「職人1人の1日の稼ぎ」で算定した史実があったよう。人日単価ベースの概算見積ですね。

資本力のない個人が庶民向けのフィクションで成り上がるには、つまるところ「面白い話をする」しかなかった時代、かぁ

今日のできごと:活版印刷のほんとの技術的ブレークスルーが「熱い鉛にふれても壊れない紙型」だったこと、木版印刷の版木をつくる初期コストの高さが版権に共同出資する商習慣を生んだこと、いまでいう自費出版(入銀)はその派生であることなどを知りました。面白かったです。

|の使い道を考えるのが楽しい。空前の|ブーム

招待制が廃止されたので、blueskyのアカウントをつくりました。すみれの花時計みたい。

bsky.app/profile/kasaikouhei.b

「鍋に脅されたねぎがカモを探す絵」というイラリクが頭に浮かんだ

「本のフェアトレード認証」にインタビュー記事が掲載されました。

「作家の手帖」をなぜ立ち上げたのか、問題意識をストレートに話せたと思います。

著作者の報酬をめぐる、公正取引と経営リスクの衝突をどう考えるべきか。さまざまな表現に携わる方のご感想を伺いたいです。

fairtradebook.org/2024/01/20/i

「活字文化を守れ」というスローガンは、「写本文化が滅びたあと」でなければ語られようがない。

面白い細部は(たぶん)次のNHK大河になるからそちらを観てもらえばいいとして、身元不明・成り上がり・早熟早逝・商才・下世話・サロン・面倒見◯・反権力……と、ポップカルチャー好きが惹かれそうな属性に事欠かない生涯だなと思う。

菊池寛や堤清二、岩田聡がそうであるように、ひとつの文化の流行の頂点に・高所で・当事者として立ち会った経営者だから、文化史を語るときにも欠かせないし。

先行研究者はめちゃめちゃ褒めてるけど、後世からみると、経営者としてはこれといって独創的な発明をしたわけではなく、基本に忠実な慎重派という感じがする。ただ、ハイプサイクルの頂上が見えていて、キャズムは超えそうで超えない、くらいの潮流に居合わせるのが上手い。「野生の嗅覚」がある。

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高校日本史の用語集レベルの話なのかもしれないけど、蔦屋重三郎の半生は(インターネット普及後に読むと)面白い。

古くから「物之本」と呼ばれて全国流通した儒書や歴史書、医書などの「役に立つ本」に対して、彼の同時代に成長市場だった「地本」は、都市圏内に流通した大衆向けの趣味・娯楽書で、奢侈禁制のあおりを受けやすい「役立たずの本」だった。

蔦屋重三郎は後者から前者に進出しかけたところで死んだらしい。晩年に本居宣長の初期作を刊行してもいる。生まれ育ちはよく分かっていないものの、就職してしばらく当初は吉原遊郭で貸本屋を営んでいて、ある時に別の版元が手がけていた「風俗店の人気タレントの写真集」を安売りするところから起業。

その後はいくつか(吉原ローカルの観光ガイドや音楽入門などの)実用書を手がけたあと、狂歌コミュニティに深入りして実力のある作家を発掘。エンタメ部門を立ち上げて、過激すぎて政府から発禁・財産没収されるくらいまで成長させた、と。

いかがわしい本が咎められて、幕府から資本金の半額を没収された蔦屋重三郎と山東京伝をみていると、娯楽(フローな情動)は書籍(ステーブルな記録)と相性がわるいのではないかと思う

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