こういう論調よく見るけど、《オッペンハイマー》がアメリカで公開されたあと当のアメリカ人が原爆をネットミームにしてふざけていたわけで、映画が反省や後悔のメッセージを含んでいたとしてもそれが伝わっているかは疑問。
そして今もイスラエルによるガザ虐殺を止めるどころかそれについて受賞者スピーチで触れた監督が吊し上げられてるような状況なのに、核爆弾の被害を受けた日本側が原爆開発者の気持ちを汲んで金を払って見に行く(興行成績がよければそれは肯定と受け取られる)必要ある?
twitter.com/darkknight_jp/stat

私はクリストファー・ノーランの作風が好きで、くどい説明や内心の描写は少なく淡々と事実を積み上げていくことで観客をキャラクターの内面に引き摺り込み共感を呼ぶ映画監督としての優れた才能があると思っているからこそ、「原爆は大量虐殺兵器であり、最悪の発明だった」あるいは「アメリカの決断は間違っていた」と観た人が思うとは思えないんだよね。
《ダンケルク》だって「戦争は虚しく人の命を失わせる」という虚無感が漂ってるけど、どこかカッコいいじゃん。そこで「カッコイイと思ってしまうのは危険だな」という冷静な判断が下せる人がどれだけいるのか。

「多くを語らない男の内心の悲哀とそのカッコよさ」みたいなものを描くのがめちゃくちゃ上手い監督が、大量殺戮兵器を生み出してしまった男の悲哀みたいなものを描いたらめちゃくちゃカッコいいに決まってるだろ!そりゃ共感できたら超気持ち良くなるに決まってる!
でもそんなの「大量殺戮兵器は悪」という大前提を共有できてない世界では楽しめないよ!少なくとも原爆に関しては私は無理ッ!そして今の世界情勢的にも無理ッ!

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「事実を客観的に見れば過ちを繰り返すはずがない」とか「歴史的背景や政治的プロセスを見れば〜」「日本人こそ知るべき〜」みたいな擁護、今のアメリカを見ればなんの説得力もないでしょ。
アカデミー賞でもバーベンハイマーをネタにして台本書くぐらいなんだから。(今年のアカデミー賞はマジで胸糞悪かったわ)

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