というわけで「カモガワ奇想短編グランプリ」やります! 審査基準は「奇想あふれる優れた短編小説」。みなさんの日常に風穴を開けるような奇天烈な発想の作品をお待ちしております!! 詳しくはnoteの記事を参照のこと。
https://note.com/kamogawagbooks/n/n0b3bfd549f6c
Laura Mauroの短編"Looking for Laika" 読んだ。
冷戦真っ只中の英国が舞台。祖父からソ連の宇宙犬ライカの話を聞いた少年は、妹にでっち上げのライカにまつわる物語を語って聞かせる。ある日隕石が落ちた時、妹は宇宙船を見たと言い張り、少年はロシア語の描かれた板を拾う。その後核戦争が勃発、イギリスも犠牲となり、少年は両親を失う。
その数十年後、学者となった少年は、学者仲間に札に書かれたロシア語がライカの別名であったことを知らされる。妹が見た宇宙船は、本当にライカが乗っていたものだったのかもしれない。少年は数十年の時を経て、妹に真実の物語を語る。
かなりエモくて泣かせる。2018年の英国幻想文学賞短編部門受賞作。
ようやくヒューゴー賞の候補作が公表されましたね!
https://locusmag.com/2023/07/2023-hugo-astounding-and-lodestar-awards-finalists/
レイ・ネイラーのThe Mountain in the Sea、SFマガジンの4月号で鳴庭真人氏が紹介してましたね。蛸とのファーストコンタクトSFらしい。
>「……ピーター・ワッツの《ブラインドサイト》二部作に匹敵する二十一世紀のファーストコンタクトSFの力作といえる。」
インドSFの特徴と歴史をまとめた記事が出ていた。
>インドSFの特徴は、神話や民間伝承が物語の多くを支えていることだ。[…]その結果、インドのSFは独自の語彙に富んだ特異なジャンルとして台頭しつつある。
https://indiacurrents.com/science-fiction-from-india-mixes-myth-ai-and-reality/
鯨井久志。翻訳・書評・ときどき精神科医。SFとラテンアメリカ文学とお笑いが好き。サークル「カモガワ編集室」主宰。ジョン・スラデック『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』(竹書房文庫)好評発売中。 Hisashi Kujirai /translator, reviewer