私が怒りを表明するのは、このまま放置していたら私以外の他者にも不利益が生じる問題、つまり社会問題や構造(システム)の不備に対してであって、自分だけが損して終わるような偶発的なミスに関しては、そのまま流してしまうことがほとんどだ。でも、後者はわざわざ報告しないので存在自体が感知されず、前者のみが表面化するため、「常に正義を求めて怒ってる、どんな些細なミスも許さない人」という認識になってしまう。そんなふうに感じ、うぐぅ......となってしまう者はどこかにいると思うので、同じだけど異なる「砂漠」を漂う存在がいることを知らしめるために、こうして言葉にしておこうと思う。
今月は納品ミスも何度もあり、頼んだ本が来なくて頼んでない本が届くなどしている。わざわざ取り寄せをした本を無断キャンセルされてもいる(私生活が大変らしく、たぶん注文したこと自体忘れている)。でもそういう悪意のない/どうしようもないミスはだいたい指摘することなく「まあいいか」で自分の損を流してしまうのだけど、社会に害を及ぼす悪に関してはがんばって物申すようにしている。だから私は自分のことをとてもやさしい、あるいは弱気な、他人のミスを指摘する勇気もない人間だと思っているのだけど、世間的には「正しさばかりを求める堅苦しい面倒なやつ」だと思われているように感じていて、それがずっと苦しかったりする。実際の私は怒れない人間なのに、いつも怒っている人だと思われている。