そもそも、チェーン店相手だとしても電話営業というのはもう雑すぎるんですけどね。電話口で本の紹介されてもまともに検討なんかできないので。でもそれが昔はスタンダードだった。FAXが登場したらそれが主流になったけど、それでもまだ電話営業は主流のひとつだった。本屋が本のことをちゃんと理解しているなんてのは幻想です。ほとんどの本屋は、本になにが書いてあるかなんかわからずに本を置いています。だからヘイト本がふつうに置いてあるんです。あれは往々にして「そもそもなんの本かすらわかってない」から置いてある。そういう状況の土台を作っているもののひとつが、この電話営業(=売れなきゃ返品していいからとりあえず発注してくれない?)です。
政治や社会のことなんか関心ないにもかかわらず思想や言動が極右的なものになっている人間がいたりするのは、そういう無自覚な接種が積もり積もってのものなのだと思う。本、ネット、テレビ。とにかく、人は関心のない物事こそ「無条件に肯定的に受け入れ、その後検討もしないまま」になる。
そしてこの「無条件に肯定的に受け入れ、その後検討もしないまま」でいるのは本屋も同じである。ほとんどの本屋が「その本がなにを主張しているのかわからないまま本を置いている」というのはそういうことだ。