四月大歌舞伎 夜の部を観劇しました。
土手のお六、鬼門の喜兵衛もだけど、神田祭の鳶の頭と芸者があまりに美しくて観ながら何度も溜息が出た。粋でいなせ、でも初々しくて愛嬌もある。ニザタマの合い惚れの場面ってみていて照れちゃうんだよね。ふたりの見交わす眼差しや、恋の駆け引きが何ともはまっているから。
『四季』は九条武子の作とのこと。詩情溢れる舞踊作品だった。春夏秋冬の場面転換がはっきりして、ちょっと宝塚のショーみたいな展開が新鮮だった。
夜の部三作品、大当たりでした。
先日読み終えた『時ひらく』はまさにデパートワンダーランドだった。
今でこそ百貨店はテナント貸ビルみたいになっているけれど、少し前は各階がそれぞれに特色ある品揃えで「あれは三越」「これはやはり髙島屋だわね」なんていう楽しいお買い物パラダイスだったのだ。
アンソロジーはどれもよかった。趣きは違えど、お買い物パラダイスに対する愛情やリスペクトが感じられた。
髙島屋バージョンもやってくれないかしら。
遠藤周作『砂の城』読了。一気に読んだ。勝呂もミツも登場しないので油断してしまった。
遠藤が描きたかったのはトシなのではないかと感じている。確かにトシは愚かな女だけれど作者の眼差しに蔑みはなく淡々と彼女を見詰めている。登場人物の誰をも、肯定も否定もせずに描いている。うつくしいもの善いもの、とは何だろう。
仕事をしたり、映画をみたり、料理をしたり、観劇したり、本を読んだり、散歩をしたり。悲観的な呑気ものでモノモチヨシコ