「購読」という言葉 

やっぱり翻訳者の端くれとしては、「購読」という言葉が気になってしまうのです。
手元にある辞書で引いてみると👇

●大辞林
買って読むこと
●現代国語例解辞典
買って読むこと
● 明鏡国語辞典
「購」は、買うの意。本来は代金の発生しないものには言わないが、近年「メールマガジンを購読する」など単に<定期的に読む>の意でもいう。

ユーザーの皆さんは「無料の機能」であることはご存知でしょうから、なんの問題もないわけですが。

経緯としてはみなさんの指摘にある通りで、概念としてはメーリングリストのSubscribeです。

メーリングリストのSubscribeは購読と訳されてきました。

さて、Subscribeであるとして、これにどんな日本語を当てたら良いと思いますか?

あるいは、Subscribeを置き換えることもできます。

意味としては『登録することで配送される』ものです。

良い候補はありますか?



完全に餘談だが、Subscribeは現代漢語で【
訂閱(ていえつ)】と言ふ。「閲(けみ)訂(さだ)める」といふ意味だ。

訂閱(英語:Subscription)是一種商業模式,顧客需要定期付出指定的費用以獲取商品及服務。此模式早於17世紀已見初型,當時書籍和期刊的出版商通過類似的模式收費[1],現時已經成為出版業、商業及網站收費內容的常態。在YouTube,用戶訂閱頻道主的頻道為免費,但頻道主在獲得若干數量的訂閱者可獲得相應的獎勵,頻道主也可開啟「會員」需用戶付費加入。常見的訂閱有影音訂閱(如Youtube、Spotify)、新聞媒體訂閱、內容知識訂閱、軟體訂閱(如Microsoft 365)、汽車訂閱(如CELEX、iRent)。
    
──维基百科编者. 訂閱[G/OL]. 维基百科, 2022(20220707)[2022-07-07]. -{R|https://zh.wikipedia.org/w/index.php?title=%E8%A8%82%E9%96%B1&oldid=72546328}-.

また、現代英語 subscribe は羅甸語
subscribere「書き離す」→「署名する」を由徠とす。
subscribe (v.)

early 15c., "to sign at the bottom of a document," from Latin subscribere "write, write underneath, sign one's name; register," also figuratively "assent, agree to, approve," from sub "underneath" (see sub-) + scribere "to write" (from PIE root *skribh- "to cut"). The meaning "give one's consent" (by subscribing one's name) first recorded mid-15c.; that of "contribute money to" 1630s; and that of "become a regular buyer of a publication" 1711, all originally literal. Related: Subscribed; subscribing.
    
──Harper Douglas, “Etymology of subscribe,” Online Etymology Dictionary, accessed December 25, 2022, https://www.etymonline.com/word/subscribe.

なほ、
綜語(希哲館訳語)では Subscribe のことを「待っ読」(まっどく)と言ふ。これは「積ん読」を基としてゐる。
それにしても,「サブスクライブ」も「購読」も自然で分かりやすいとは言えない。なら「待っ読」でいいんじゃないか,と採用することになった。
    
──希哲館訳語の原点,サブスクと待っ読(まっとく)

有料無料、定期的に配信されるもの、登録すれば同時配信になるもの。英語のsubscription は広範の意味で使えるのに、和訳された途端に違和感が生まれます。
漢語ver. はその辺がうまく考えられていてなるほど!と思いました。

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