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大阪歴史博物館のジオラマの数々は細部まですばらしいのですが、人々がそれぞれに生きている感じがあって見入ってしまう。

てんぐのたまご 割れるとちゃんと天狗の幼体が出てくる。

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与謝蕪村の妖怪絵巻(を複製したもの)の、座敷に泊まったら、夜更けに現れた数千の赤子が気になってしょうがない。赤子の絵がよすぎる……。

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ティリー・ウォルデンの「On a Sunbeam」が届いたのですが、分厚さにびっくりした。
宇宙SFで学園ドラマのようなので、水星の魔女を思い浮かべなくもない。

久しく待望されていた倉田タカシさんの短編集『あなたは月面に倒れている』(東京創元社)が刊行されて喜んでいます。テキストがうねうね交錯する前代未聞の前衛小説から、なぜか生首が落ちてくる現代、スパムが歩いて話しかけてくる未来、猫の寿命が伸びてその言葉がある程度は翻訳機でわかるようになった未来、周回軌道上のピアノで4分33秒を演奏するアートの未来、同じ部屋で見えない人と暮らす未来、あなたが月面に倒れている未来――など、正に〝未来での正しい溺れ方〟を教えてくれる本だと思います。

キム・ボヨン著 斎藤真理子訳『どれほど似ているか』(河出書房新社)、受験戦争、女性差別、政治不信などの社会問題にSFアイデアを絡めて、さらなる思考実験を重ねる手付きがちょっとない感じで、読みやすい文体なのにその濃密さに一作読むたびに本を閉じて反芻しています。すばらしい。

皆川博子オマージュ展の小冊子「Fragments」もすばらしかったんですよね。皆川さんのテキストに浅野さんや伊豫田さんたち5人の作家が描いた挿画を収録。こちらも造本装丁は柳川貴代さん。

皆川博子さんの幻視的な掌篇「香妃」を収録したカード式の小冊子『香妃』(兎影館)を、造本装幀の柳川貴代さんからお送りいただきました。文字は活版印刷、新倉章子さんの挿画はオフセット印刷という、なんて繊細でうつくしい一冊……。

マリコ・タマキはやっぱりすごいなと思いました。『THIS ONE SUMMER』も素晴らしいので読んでほしい。

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淡いピンクの配色や、髪の表現がとても印象的。主人公のフレディが傷心のあまり吐いてしまうドーナツ店のヴィ(あちこちでバイトしている)がすごくよくて、現れるたびに喜んでました。

フレディの友人のドゥードルがハインラインの『異星の客』を読んでたりする。

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マリコ・タマキ作 ローズマリー・ヴァレロ・オコーネル画 三辺律子訳『ローラ・ディーンにふりまわされてる』(岩波書店)、すごいよかった…! 多様なクィアが当たり前となったティーン世代の恋模様や友情の物語なんですが、終始心がざわつきっぱなし。ある人からの〈返事〉には感動してしまった。

塚本邦雄『夏至遺文 トレドの葵』も頂きました。こちらは瞬篇小説集の『夏至遺文』と『トレドの葵』を一冊にまとめた本。瞬篇とは塚本邦雄によるショートショートや掌篇のことなのですが、瞬きどころか目が開きっぱなしになるような濃密さ。

新装復刊された塚本邦雄『ことば遊び悦覧記』をお送り頂いたのですが、大量の直筆サイン紙が見つかったとのことで、なんと初版全部に直筆サイン紙が綴じ込まれている……! すごい。びっくりしました。

キム・チョヨプ キム・ウォニョン 牧野美加訳『サイボーグになる』(岩波書店)、すっごくよかったです。障害を克服するテクノロジーの幻想や非現実性、滑らかさと継ぎ目、身体的アイデンティティなど端々ではっとさせられつつ示唆を受けました。
前感銘を受けた『くらやみの速さはどれくらい』や伊藤亜紗さんの著作への言及も。

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