完璧な作品なんてものは無いとわかっているが、一つのマイノリティ属性の描き方が良いほど、他のマイノリティ属性が酷い描かれ方してると「どうして?!」と思ってしまうというか、全方位に最悪な作品よりも「出来るのにやってない」のだとわかる作品の方がグロテスクに見えてしまうんだよな、特に後者は「出来ている部分」を評価されるので。
ある作品の「女性表象が良い!」のは事実でも他のマイノリティ表象がポンコツだと困るというか、そういう作品が「社会派かつ良い作品!」として評価されたままだと、人種的マイノリティかつ女性などのダブルマイノリティは取りこぼされたままじゃん、という。
登場人物たちの属性の表象が全部最悪だとさすがにコケることが多い(ステレオタイプ一辺倒にしてしまうと面白さがないから)ので、わざわざ批判もする必要なくて何か言うにしても「クソです」で終わらせる(話題にして注目度を上げる方が悪影響ある)が、評価されている作品に一部問題があるときは放置する方が悪影響あるので「いやいやここに問題ありますよ…」と声を上げたい気持ちが抑えられず、結果として私は常に話題作の文句を言ってる人になっています。
私は話題作のマイノリティ表象について常に文句を言ってる人です。よろしくお願いします。(開き直り)
『名探偵コナン 黒鉄の魚影』への批判/ネタバレ有
作中の「ピンガ/女装男=骨格認証システムを恐れる」という構図は、トランス否定あるいは反トランスの表象として強烈に作用する。
ピンガがグレースであると明らかになるシーンでは、典型的な「まやかし型」演出がなされる。
「まやかし型」とは、クィア表象に関する専門家であり生物学博士でもあるジュリア・セラーノが提唱しているトランス/クロスドレッサー表象の類型の一つである。「まやかし型」は、女性としてのパス度の高さから、ショッキングなどんでん返しを引き起こす役(悪役であることが多い)として使われるキャラクターだ。
「『まやかし型』は始めの頃こそ『本物の』女性だと思われるが、遅かれ早かれ、羊の皮を着たオオカミ、つまり偽りと現代医学技術による幻影であることがばれ、大抵その結果、制裁を受ける。」(2023, ジュリア・セラーノ著, 矢部文訳,『ウィッピング・ガール』, サウザンブックス社, p.67.)
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『名探偵コナン 黒鉄の魚影』への批判/ネタバレ有
しかも、ピンガのブラックヘア(ロックス/ブレイズ)は文化盗用的だ。文化盗用でないならば、ピンガはアフリカ系だということになり、「黒人男性=女装した男性=社会脅かす危険な存在」という二重ステレオタイプによる演出がなされていることになる。この問題の根深さについても、すでに数多くの批判がなされている。(アクセスしやすい媒体を例にあげると、『トランスジェンダーとハリウッド』では専門家が人種差別と性差別の交差例としてこれを解説している。) また、『黒鉄の魚影』にはクライマックスで見どころの一つに人工呼吸シーンがあり、これは医療行為/救命措置のセクシュアライズ/ロマンティサイズであり、これにも非常に問題があると思っている。 3/3
『名探偵コナン 黒鉄の魚影』への批判/ネタバレ有
昨年のコナン映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影』が地上波放送されて好評なの、暗澹とした気持ちになる。
本作には、ピンガという悪人(黒の組織という反社会組織に属する犯罪者)が、女装してグレースという女性になりすまし、ターゲットの女性に近づき機密情報を得て、テロリズムを企てるという筋書きがある。
今なおステレオタイプど真ん中のqueer-coded villain(クィア性を付与された悪役)を登場させ、しかも「女装した男が社会に危害を加える」という手垢の付いた話を大々的に発信するのは、害悪でしかないと私は思っている。
さらに、本作はキーアイテムとして「老若認証システム」という、特定人物の過去と未来の姿を感知する人物認証システムが登場する。特定した人物の骨格から、その人物の年齢が変わってもその人物を特定できるというもので、実質的には骨格認証システムである。作中では世界各国の警察機関がこのシステムを共同開発されている。
このシステムは悪人にとって非常に都合が悪い。もちろんピンガもその一人で、ピンガはこのシステムの破壊を目論んでいる。「女装した男」は骨格認証システムに太刀打ちできず、「真の姿」が白日のもとに晒されてしまうからだ。 1/3
https://www.youtube.com/watch?si=t982r44eNxbp4UX5&v=wKZDxRDopZE&feature=youtu.be
『虎に翼』に出てくる朝鮮からの留学生、当時は植民地化により日本国籍だったとはいえ(男性でも)弁護士や公務員になれたのか疑問に思っていたのだけど、やっぱり無理だったと。「お前はニホンジンだ!」と言いながら公職につくことは禁じていたんですね。
ちなみに日本初の女性弁護士が誕生したのは1938年、日本国籍を持たない初の弁護士、金敬得(キム・キョンドゥク)が弁護士登録したのはなんと1979年だ。
そんなこと言ってたらGreenHellまた無料の大型アップデートきてんだけど😂
https://store.steampowered.com/news/app/815370/view/4178851594847236108?l=japanese
凄い行きたい!と思ったら対面のみっぽい。
同志社大学、今出川キャンパスとのこと。お近くの方がいらしたらー。
学問を脱植民地化するーー植民地主義の過去と向き合うベルギー大学間連合体の取り組み
日時:2024年4月26日(金)16:30-19:30
会場:同志社大学 今出川キャンパス 良心館 RY206教室(対面)
使用言語:フランス語(日仏通訳あり)
講師:アブデラリ・アジャット(Abdellali Hajjat)
主催:グローバル地中海地域研究同志社拠点「多文化都市と共生の危機」研究班
https://miccskyoto.jp/programs/575/
この『Bad Faith: Christian Nationalism’s Unholy War on Democracy』というドキュメンタリー映画、キリスト教ナショナリズムの隆盛を探る内容だそうで、ぜひ日本でも見られるようにしてほしいです。宗教右派とナショナリズムの融合はまさに日本でも無視できない問題ですから。宗教系のドキュメンタリーって日本では公開されにくい感じなんですが、それは「日本には宗教は影響が薄いから」と思っているのかもですけど、全然関係おおありです。
https://variety.com/2024/film/reviews/bad-faith-christian-nationalisms-war-on-democracy-review-1235957777/
ゲームを読み解く楽しさを配信をしてます. discord: blotzky_tsd http://twitch.tv/blotzky_roar DMS(ミス研)出身. 成人済み. アライ. フェミニスト. 反トランスヘイト. 映画: ALIEN GATTACA GRAVITY. ゲーム: 隻狼 Witcher3 Deadspace. たぶんシスではない。