SFとファンタジーの短編小説やコラムを掲載する月刊ウェブジン『クラークスワールド』誌ニール・クラークさんによれば、剽窃やAIを使ったらしき内容で出入り禁止(その後の投稿を受け付けない)になるスパム小説投稿が飛躍的に増えているそう。
しかも金目当てらしい。
http://neil-clarke.com/a-concerning-trend/
ちなみに日本の個人(葦沢かもめさん)がAIを補助利用した大量投稿を1年前にやっています。運営はこれを受けて規約改定とかするのだろうか?
3週間で101篇小説を書いて、AIを利用した小説で史上初めて星新一賞に入選した話(2022年3月の記事)
https://note.com/ashizawakamome/n/n35bdb0486a6d
英語圏の下読み(投稿された小説を読んでふるいにかけ、採用作をしぼりこむ作業)事情。
無料で読めるSF&FTのウェブジンの多くは、公募したボランティアが下読みしています。以下のリンク先は『クラークスワールド』の下読み募集要綱。
途中で読むのをやめてもOKとはいえ、1日5編ペースで読まないといけない。応募するときもかなりのやる気が求められます。経歴や読者歴、好きな掲載作や、なぜ好きかの言語化が必要です。
ゆえに「◯◯誌での下読み」がジャンル内に堂々アピールできる経験になるわけですけれど。
http://neil-clarke.com/slush-reader-application-2021/
クラークスワールド誌に昨年掲載された短編の、読者人気投票の結果が発表されました。
すべて無料で読めます。
ショートストーリー部門、ノヴェレット/ノヴェラ部門(中編級)、表紙絵部門の3部門があります。
https://locusmag.com/2023/03/2022-clarkesworld-readers-poll-winners/
@biotit 昔、雑誌が紙だったころ、投稿には雑誌挟み込みの用紙が必要なところが多く、コピー不可なので投稿用紙のつく号は売り上げが上がったそうです。ある意味で投稿料をとっていたと言えるかもしれません。今はやり辛いですね。
『クラークスワールド』はこころざしある雑誌だから、投稿者から投稿料を取って門戸をせばめることはしないようです。しかし、対策として投稿料を徴収する出版媒体が増えてもおかしくないですね。もともと英語圏の短編コンテストや小出版社には投稿料を取るところもあるので。
「稼げるかも」という安易な発想で、既存の体制が荒らされるのは悲しいです。
そもそも絵はともかく、文芸でAI小説が幅を利かせられるのはだいぶ先かと思います。