BT 『ユリイカ』長谷川白紙特集号のトークイベント、事前に予想していたよりもかなり興味深い話がたくさん出て、いろいろな人に聞いてほしい気持ちでいっぱいです~
わたしはバトラー度というおそらくこの先長谷川白紙の話をするときにしか使わなさそうな言葉をたくさん発しています
https://bookandbeer.com/event/20231221_hh/
ジェンダー・セクシュアリティ関連書籍で取り上げたいものが紙幅を大きく上回ってしまうのは、年間回顧の各項目に本来的にはまたがっていて、そこでも取り上げられるべきところを取り上げられる見込みがあまりないために、ジェンダー・セクシュアリティという「隔離された項目」が担当することになってしまう、というのはある気がしています。
とはいえ、見本として渡された2021年の年間回顧で、ジェンダーの欄で取り上げられないことを見越して(2021年までの担当者は千田氏)なのか、アメリカ文学の欄でバトラーの『問題=物質となる身体』が取り上げられていたこと(これは非常に印象的でした)もあり、一概には言えないのですが……。
なんとか読書人の年間回顧の原稿が終わり、年内の仕事は(年始の公演関連を除けば)B&Bの『ユリイカ』長谷川白紙特集号観光記念トークのみに……!
『週刊読書人』が出版に関わる人などに読まれていることからトランス差別に反対する書き手がまだ撤退するべきでないと考えていること、『埋没した世界』などの書評もまた載せてきたこと、トランス差別に反対する編集者もまた社内にいると聞いていること……などから今年も寄稿しましたが、8月18日号の巻頭特集への抗議として書くことを明記して書き始めるのはどうしても胆力がいりました。
今年は取り上げたい本がとても多くて、しかし抗議も書かねばならないし、文章全体のまとまりも持たせたいので列挙はしない、となると載せられなかった本の方が多かったくらいで紙幅の少なさが本当に恨めしかったです……。
ひとまず件の本の刊行中止に安堵しています。が、
>本書は、ジェンダーに関する欧米での事象等を通じて国内読者で議論を深めていくきっかけになればと刊行を予定しておりましたが、タイトルやキャッチコピーの内容により結果的に当事者の方を傷つけることとなり(…)
ではないでしょう……。それこそ原書の当地での評価を考えれば、書籍の内容にこそ問題があるのは明らかなわけで。それをトランスの個々人に責任転嫁するような書き方で、出版中止によってまた次の嵐が来ることは免れないように思います……。
引用の前半の部分も、内容が「ファクト」でないことをさんざん問題にされている本なのに、あたかもその内容が「議論」の土台となりうる本であるかのような表現で、出版社として内容に問題がある本、それによって差別を扇動するような本を翻訳・出版しようとしていたことの責任をとってほしいです。
https://www.kadokawa.co.jp/topics/10952/
国立大学法人法「改正」に反対する学生有志の声明に賛同を示しました。
・詳細
https://linktr.ee/kokudaihoustudentsnetwork
・Googleフォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdszjTOJ7zgIzrE9GoHsj8vwSXLYLEY2sc6N7YI8G97Pd6xoA/viewform
そして、『ユリイカ』長谷川白紙特集号の刊行記念として、12月21日の19:30よりimdkmさん、和田信一郎さんとのオンライントークイベントが開催されます!
多角的に長谷川白紙を分析する……という趣のある『ユリイカ』特集号をもとに、長谷川白紙さんについていろいろお話する、というイベントになると思います。『ユリイカ』の内容が厚いので、参加する側としても楽しみにしています。
よろしくお願いします〜!
2023/12/21 Thu 19:30-
青本柚紀×imdkm×和田信一郎(s.h.i)
「長谷川白紙を語ろう!」
https://bookandbeer.com/event/20231221_hh/
山内さんとのトークのHPからプロフィール写真が新しくなっているのですが、こちらはナナシマさん(@marius_nanashima)に依頼して撮影していただいたものです。
用途に応じて使い分けられるようにナナシマさんにはほかにもいくつか写真を撮ってもらっていて、どれもすばらしいので使うのがたのしみです。
積極的に顔を出したいわけではないのでSNSに写真をあげるのはあまりしていないのですが、見せびらかしたいかつこれは顔の写りが小さいのであげてしまいます……!
【お知らせ】11月28日(火)19時より漫画家の山内尚さんと六本木・文喫(+オンライン配信)で、自分自身を説明する言葉を見つけることとその過程について、というテーマでトークをします。
https://t.co/14F9DvKBgY
わたし自身の話としては規範との摩擦に最も困惑していた時期の話になるように思っています。その摩擦・磨耗の様態は人ごとに違うはずなので、規範との摩擦を抱えていたこと、あるいは規範に摩耗させられた経験を語ることが直接的に誰かの助けになるわけではありません。が、その過程を聞くことが状況を解きほぐす助けに全くならないとも思わず、効力の具体的な内容を想定せず、しかし効力がありうると信じて話すような気持ちでいます。
山内さんとの打ち合わせはまだですが、山内さんとなので、服飾の話をすることはわたしのなかで決定しています。どうぞよろしくお願いします!
バトラー、文芸 │ nonbinary(they/them)・asexual│ 文芸同人誌「花と青」 https://researchmap.jp/aomoto-yuzuki