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十二国記、クィアと障害者に対する眼差しが本当につらくて心折れたのも事実です。
婚姻の強制、女性の出産、対外戦争だけがなければ良いのか?女性が男性と同じくらいバリバリ仕事できればそれで幸せなのか?
多分今の時代だったら違う書き方すると思うんだよな……
あと「落照の獄」の批判なら命尽きるまで言えるよ……読者も作者もみんな罪を犯さない前提で作ってある小説だし、「ケーキの切れない非行少年たち」を出す出版社が令和に商業ベースに載せて良い短編じゃないよ新潮社……小野先生を守れてないよこれ。
私やっぱり武力や他者の生命維持判断を絶対権力者が持ち、その権力者が長命であるっていう異世界本当にしんどいと思うよ……しんどいものとして小野先生が描いているとはわかってるけどさ……
十二国記、「天という神が作った穴のある歪な箱庭」の話だと思うので、あの世界自体を肯定的には書かれてないんじゃないかな……?というのと、そんな歪な箱庭(≒現実)で主に女や子どもが不条理と戦いながら腐らずに生きていくための心構えの話を結構マッチョにやってるんだよな。移民や国籍の話は比較的最新の巻でツッコミが入ってる(図南にその兆しがある)
十二国記の質感たしかに「イエスはただの人で大工の子。磔の後復活なぞしない政治犯だったという歴史SF」かもな…(特定の宗教に関してそれやってる感じじゃないから個人的にはそこが好き)
銀河英雄伝説って君主制か民主制かを問う話なんだけれど、最後にあれは「戦争をして成り上がった君主が死ぬことでギリギリ文民統治の芽が生えるよね」という結びを持ってくる。
だからラインハルトは25歳で死ぬ。ラインハルトがいかに英明な君主として統治したとしても、彼に命を奪われた者とその愛する者たちはラインハルトを許さない。
仮にラインハルトが85歳まで生きて「60年あるラインハルトの治世が良かった」とするならば、それは民衆が「いいや、彼は戦争を指揮した人間だ」という批判を言えなかったという結果になる。