きっと67とちび6の茶バネ小話
「はっ!」
その声にアルウェスもちびロックマンも顔を上げる。壁には茶色い虫が触覚を揺らしていた。アルウェスは立ち上がり手にしていた新聞を、ナナリーは自分の履いていたスリッパを手にする。が。
ジュッ
ちびロックマンの目から赤い光線のようなものが発射され、それは壁に黒い跡を残すのみとなっていた。それすら小さな手が振られて綺麗に消える。
「ありがとう」
「ぽぽ」
「でも、それ以上高温の魔法は使わないで」
「ぽ?」
「火災報知器が作動するかもしれないから」
ちびロックマンはそれが何かわからず首を傾げる。
「火事を事前に防ぐ物だよ。それが作動すると面倒なことになるから」
「ぽ、ぽぽる」
ちびロックマンが頷く横で「一家に一台どら……」と言う妻の口をアルウェスの手が塞いだ。
きっと彼女の67の茶バネ小話
アルウェスが視界の端でそれが動くのを気付いた時、ナナリーは右手にハエ叩き、左手にスプレータイプの殺虫剤を握り締めていた。悲鳴をあげることもなく、その目はスナイパーかのようで。腕を伸ばしてそれに殺虫剤を向ける。シューとスプレーから噴射される音。
「うおりゃ!」
勇ましい声に気持ちいいぐらいの叩く音。「よっしゃぁ!」なんて喜ぶ声、全てがアルウェスの愛する妻からのものだった。
「僕に言ってくれれば処分するよ」
「お坊ちゃんのアンタよりも私のが仕留められるに決まってる」
たしかに名前とどういう虫かは知っていたが、実物はナナリーの実家で初めて見た生き物だったが。
「とりあえず駆除薬買ってこようか」
「そうね」
こんな口実はどうだろうと思いながらもアルウェスは妻との買い物デートの口実を手に入れた。
きっと6とちび6小話upです
小話と言いつつ、ちょっと長いかも
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ドンッ、そんな効果音が流れそうな大きなおにぎりに、ちびロックマンはぱちくりと瞬いた。これでも先程まで見ていたあんぱんが顔だというヒーローの話が全て吹っ飛んだぐらいに驚いている。
「ナナリー、君ね……」
「爆弾おにぎりよ」
「ロシアンルーレットじゃないだろうね?」
「ちゃんと美味しく食べれるわよっ」
爆弾。食べたら爆発するおにぎりなのか?だから黒いのか?美味しく食べれると言ってるので、そんなことはないだろうが。ちびロックマンは意を決して爆弾おにぎりにかぶりつき、もぐもぐする。
「ぽる」
「そこはおかかだね」
そこ?と思いつつ、またかぶりつく。「鮭だね」「昆布」「梅干し」「高菜」、色々な物が入って大きいらしい。
「よくここまで具材あったね」
「この間ご近所さんに漬物をいっぱいもらったの」
「ぽぽる」
「そういえば海苔は教えてなかったか。持ってく?」
おにぎりが黒くなってるのは海苔を巻いてるからだった。美味しかったので、ちびロックマンは遠慮なく頷き、かぶりつく。
「!」
「ナナリー、何でわさび漬けを入れたの?」
「えっ、間違えた!?それはアンタに……イダダッ!」
アルウェスは最愛の妻の頭を掴みながら、咽せるちびロックマンにお茶を差し出して、その背中をさするのだった。
昨日のオマケ
読書に夢中だったナナリーは、もうすぐお昼だと気付く。
「そろそろご飯を作らないと」
(今日は私が作る!)
最近はアルウェスが作ってしまい、ナナリーは悔しい思いをしていたのに、つい本に夢中になってしまった。慌ててドアを開けると、子供の頃によく聞いた音楽が聞こえてきた。
「あ、読み終わったの?」
ニュース以外でテレビがついているのは珍しかった。そして画面に映っているのは顔がアンパンのヒーローのアニメだったのでナナリーは夢を見ているのかと頬を抓る。
「何してるの?」
「何って、アンタ、それ……」
「見たいって言うから」
アルウェスの膝の上にはちびロックマンが座り真剣な顔でテレビを見ていた。
「見たいって……」
「この前来た時に話をしたから。YouTubeで見せるつもりだったけど、ちょうど放送日だからテレビで見ることにしたんだ」
画面ではヒーローが自分の頭をちぎって弱っている人に食べさせている。ちびロックマンは目を丸くし、アルウェスの膝をぺしぺしと叩く。「言っただろ」とアルウェスの手が落ちないようにちびロックマンを支える。
「お昼、作るわよ」
「炊飯器セットしてあるから、おにぎりにしてあげて」
負けたと悔しい気持ちで握ったおにぎりはちびロックマンと同じ大きさの物になった。
こちらのが先に書き上がっていたけれど、あんこを食べさせないといけなかったので後になりました
きっと6ちび6コンビ小話です
まさかあの時の設定が生かされると思わなかったきっと6ちび6コンビ小話
67沼にハマり中の成人。
妄想など垂れ流しで、支部や🐻以上に笑って許せるネタ多いです