話をうかがっていると、おそらくは小説と比べて、バンドの作曲行為には参入障壁というか自然と少数派になってしまう理由があんまり可視化されていない話でもあるよな、といった感じもします。
作曲を一人で完結させる場合は、基本的にギターに習熟していないとつくれない(なぜならコード進行を理解できなければ曲構成がつくれない)うえ、他の担当楽器パート(べース、ドラム、キーボード)への理解も必要になりますし、初心者はそのあたりの視野の拡張がデカい壁になります。
じっさい多くのバンドの作曲担当はギタリストであることが多いです。コピーバンドだけしていると、べースやドラマーはあんまり作曲をしようとは思わない/できない状況があるといいますか。
作家(阿部登龍)。第14回創元SF短編賞受賞作「竜と沈黙する銀河」(紙魚の手帖vol.12)、「狼を装う」(同vol.18)。SFとファンタジーと百合とドラゴンとメギド72が好き。
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