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わたしの内省によると、AIによって職業(作家)が代替されることの不安はもちろんあるが、それはそれとして、AIとか関係なく単純に巨大な将来への不安がある。

kansai-u.repo.nii.ac.jp/?actio

「AI人工物に対する意識と個人の心理的態度の関係 : 日本とスウェーデンにおける個人の意識調査」より引用(p. 60)


一般に,日本人は,アニミズム的信仰を基礎とする神道的要素をもつことから,AI 人工物に
たいしても「愛でること」が多いと言われる.しかし,調査結果の分析からは,両者の間に明
確な関係を見いだすことはできなかった.また,映画などの SF 作品を通じた AI 人工物に対す
るイメージ形成と AI 人工物に対する態度の関係についても,日瑞どちらも有意な関係を見いだ
すことはできなかった.
 むしろ,分析結果から,日瑞 2 国における個人の間には,相違点よりも類似点を見いだす方
が容易であった.日瑞いずれの場合も「AI に慣れ親しんでいると,AI に対する否定的な態度が
減少する」という傾向がみられた.また,「AI が仕事を奪う」という不安にたいしても日瑞両
国の調査結果は同じ傾向を示した.さらに,将来的には AI とヨリ親密な関係を構築でき,ヨリ
人間に近い関係を望み受け入れている個人は,AI に対する否定的態度が弱くなるきらいがみら
れた.

世界モデルの変動を、頻繁に行ってはならない というメタ規範

もしも「友達は高い確率で、飲み物に毒を入れてきたり、枕に針を設置したりする」という世界モデルを持った人物が「AIは友達」という信念を抱いたら、AIに対して否定的態度をとるだろう。また、もしも、「反乱・革命は高い確率で善である」という価値判断モデルを持った人物が「AIは将来反乱を起こす」という信念を抱いたら、AIに対して肯定的態度をとるだろう。

経験的な社会心理学は、あまり顧みられない学問領域であり、多くの人が勝手な心理モデルを説明項として導入し、実際に存在するのかわからない心理現象を説明してしまう(本当ですか?そんなことを示した研究はどこにあるのですか?「多くの人」とはなんでしょうか??)

しばしば、日本は欧米と比べて「ロボットやAIに対して親密性を持つ」文化があると唱えられるが、この仮説は経験的調査によって裏付けられているものではないようだ。ある調査では日本の被験者より英国の被験者がロボットに対する否定的態度を示した一方で、別の調査では日本・オランダ・中国のなかで日本の被験者が最も否定的な態度を示したらしい。

kansai-u.repo.nii.ac.jp/?actio

(自分の)性格などを説明項として会話中で提示する行為、会話を進めることに役立つ一方で、なにか、後戻りできない一歩を踏み出してしまったような”後悔の念”(後悔というほどはっきりしたものではないが)がある。

創作AIは(PhotoshopやWordやボーカロイドのような)これまでのテクノロジーツールと連続的なものなのか?それとも、「作者」や「創作」などの概念自体を改訂するような、まったく異なるテクノロジーなのか?前者の「AIの性質についての保守主義」は創作者の未来像について現在と連続的でしばしば楽観的なものを提示する:(ex. 創作者がAIを道具として使用する)、後者の「AIの性質についてのラジカル主義」は、創作者の未来像について現在から断続的で、(作者にとっては)悲観的な未来像を提示する:(ex. 「作者が作品を創作する」という現在の概念モデルが無効となる)

nikkei.com/article/DGXZQOUD226

去年一番興味深かったニュース。全世界的に、70年代から精子総数が六割減、しかも2000年以降加速して減少、その上原因が不明というスゴイ事態(反出生主義的には朗報だが)。

『AIが職業としての作家を打ち崩す』より悲観的な予測は、『打ち崩される職業は作家(クリエイター)のみ』という一人負け状態である。このシナリオは十分に可能性があると思っている。AIが職業を代替できる能力を持っているが、(生成プロセスの)透明性や信頼性の欠如から完全な代替にブレーキがかかるというシナリオは、たとえば記者やコールセンター、弁護士などの職業ではありえる。だが、作家は生成プロセスの透明性など必要ないのではないか(インタビューで語ることがあっても、それはあくまで「おまけ」ではないのか?)。ゆえに、作家はAI代替に対してより脆弱な職業である可能性がある。

AIの擬人化というよりも、人間が人工物(キャラクター)になっていくシフト

ドーパミン放出の速度を最大限にするために工業的に加工されている超加工食品と同じように、これからの物語は、AIのデザインの下でドーパミン放出の速度を加速していく「超加工物語」となるだろう。とてつもない面白さと嗜癖と依存性を秘めた物語は、瞬く間に世界に広がるが、その健康被害が明らかになるにつれて、揺り戻しが起こり、ふたたび人間が作った「あまり面白くない物語」にフォーカスが当たるかもしれない。

草野原々/GenGen Kusano さんがブースト

無料特別ゲスト回です。世界に100人も現存しないと思われる「ウェイクを17年かけて共同体として最後まで読みきった人物」にじっくりとお話を伺います。逐次通訳付き、チャット参加大歓迎です。youtube.com/watch?v=7QkpSSvYH9

2023年は、無性・両性具有キャラクターが主人公のストーリーにフォーカスしていこうかな。

機械学習による創作物のほうが人間によりものよりも大多数を占めるにしたがって、逆に、人間の「擬機械学習化」が進み、他者や自分の心を、意図や思考ではなく、統計的関連性によって駆動するものと解釈することが一般化するかもしれない。

現在までの人類史では、ある言葉、ある文章の背後にはなんらかの意図・思考があるという環境であった。しかし、意図・思考に起因する文章は存在する全文章に対して、どんどん割合が減っていくだろう。しかも、どの文章が意図・思考に基づいた文章なのか、判別するのはどんどん難しくなるだろう。

SFには想像力を制約してしまう面もある。たとえば、ドラえもんや鉄腕アトムによって、AIといえば、人間と同じような思考をする存在(あるいは人間よりも論理的な思考をする存在)という一般的通念が広まってしまったため、現在のビッグデータ上の統計的相関関係(のみ)で駆動される機械学習に対しても、人間と同じような思考存在を見出してしまうという例など。

現在の小説生成機械学習は、大量の文章を入力し、その統計的相関関係を使って出力しているが、将来的に現れるかもしれない因果推論AIを使った自動生成小説はどのようなものになるのか?まず、作中世界の因果モデルを作ったうえで、それを文章化するというプロセスだろうか?

近年、エンタメコンテンツ全般で「関係性」をフューチャーしたものが大量に出てきたのは、インターネットにより大量の人間関係にさらされるなか、そのモデルが必要になったからではないかという仮説。

『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』に登場した二つの幻覚剤「キャンD」と「チューZ」は対照的であり、前者はすでに設計された世界を体験するのに対して、後者は使用者の思考によって常にその場で世界が生成され続ける。現在のメタバースは前者の設計思想が多数だろうが、AIによる動画生成技術が発展するにつれて後者の設計思想が支配的になってくるだろう。また、そのとき、途方もない中毒が発生することだろう(幻覚者が夢中になることによって、機械学習し、さらなる夢中な世界が生成されていく。そのフィードバックループが無限・夢幻に輪転していく!)

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