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『ネブラスカ』(2013年)を観た。

 まずブルース・ダーンの芝居が圧巻。認知症なのかどうか不明で、本心も不明な高齢者の仕草と表情が徹底していて、真にこういうヨイヨイなのではと錯覚させてくれる、匠の技。

 息子は、おそらく横暴な父にイヤな思いをさせられて生きてきただろうに、「数日だけでも夢を見させてやろう」的な気持ちで旅に付き合う、それだけでもとても優しい。
 
 「田舎の親戚づきあい」のイヤなところ、オンパレード。
 会話が成立しない。親戚とはいえ生活環境や知性(?)の差が激しく、意思疎通できず途方に暮れる。親の若い頃を知る機会は、子どもにとっては親を深掘りできる貴重な機会なわけだけれど、「そんな側面、知りたくなかった」ということもあるわけで、そこらへんのビミョーな気持ちも、上手な描写。

 MVPは母。デリカシーなくしゃべり暴露する母への息子の目線、共感する。墓地でのぶっ飛んだ行動は笑った(←他人だから笑ってられる)。一方で、納屋にいる息子たちを見られないように旧友と咄嗟に会話を成立させたり運転したり、賢い判断力の持ち主でもあり、そういうところも息子たちには新鮮だったはず。

 最後に父がもらう帽子は、皮肉でもありつつ、こういう息子と家族に恵まれた彼への賛辞。



『サイドウェイ』(2005年)を観た。

 何故この2人が友情を育めるのかが最後まで分からなかった。
 世間一般の人は、ジャックのような人間に何らかの魅力を感じて共感できるのだろうけれど、私にはただただダメな人にしか見えなかったので、マイルスが彼のために旅行をコーディネートしてあげる姿がどうにもこうにも理解できなかった。マイルスは基本的にいい人だから好ましいけれど、前妻への未練を引きずるところとか小説家デビューすると思われたいというプライドをこじらせてるあたり、ポール・ジアマッティが演じるにはぴったりだった。

 ちょっとやそっとの飲酒運転くらいOKでしょ、アメリカだし、っていう感覚で観ているのだけれど、あんなにも飲んだくれで運転するって、ほんと!?という疑問は「一蹴されるべき愚問」なのだろう。飲酒運転前提の旅行なわけだし。そういうの、アメリカではほんとうにまったく規制ないのだろうか。

 ステファニーが気の毒…ではあるものの、やはり何故ジャックに魅力を感じたのか、何故こんなスピーディーにそういう関係になれるのか共感できず…。
 
 クライマックス(?)、置き忘れた財布を「奪還」しに行き全裸の夫に追いかけられるシーン、滑稽というよりシュールで、真顔になってしまった。



 この声をBGMに生まれ育ったので、身体の一部に組み込まれている。老いる姿を見たくなかったので近年のステージでの様子を聞くのもしんどかった。
 何紙か見てると、つまり世間的には「受験生ブルース」以外は知らないということなのか…それにびっくりする。もっといい曲たくさんあるのに。

 もう、城田じゅんじしかいなくなってしまった。淋しい。

高石ともやさん死去、82歳 フォーク歌手「受験生ブルース」
kyoto-np.co.jp/articles/-/1315



トランプ氏、T・スウィフトさんの支持見せかけ 偽画像投稿
jp.reuters.com/world/us/I25NGL

ひど過ぎる。民主主義の破壊。テイラー・スウィフトの人格を侵している。これを取り締まる法律は、無いの??



ブックオフ・オンラインのサイトに、「日本の戦争」映画特集ページがあったので、どれどれと見て見たら、最初が【蒙古襲来】でほうほうと思った。そういう映画もあるのか。そのうち、白村江の戦いの映画が作られる日が来るだろうか。


ママ友の名前がトレンド入りしているとびっくりして胸が不安でいっぱいになる。
絶賛されていて、安堵したけれど。。。

あまりにも簡単に、テキトーな気持ちで誹謗中傷する大衆とマスメディアが、ほんとうに憎い。


『密輸1970』、あまりにも良くて短期間で2度観た。

 すべてが完ぺき。エンドロールで流れる歌謡曲が一晩中脳内を流れた。サイコーなシスターフッド映画。
 
youtube.com/watch?si=en4baZf7G



駅ビルでアレッポの石鹸がバーゲンセールのカゴに入っていたので、まとめ買い🛒

aleppo.co.jp/




『密輸 1970』を観た。

なんという爽快感!w
感心してしまう。アクション、バイオレンス、だまし合い、サメ、シスターフッド!
欲張りなほどのてんこ盛りのエンターテイメント。
おまけにコテコテの70年代韓国歌謡曲とファッションに、目と耳が楽しい。

 クォン社長(軍曹)と眼帯の手下によるバイオレンスがすさまじく、あの場面だけなんか別の映画かと思った。尋常でないスピードでメッタメタに刺していく(わりにはけっこうみんな生き残っているのが謎だが)、殺陣がすごかった。チュンジャをかくまうところ、「おっ、いい人だったのか」と思ったけれど、カミソリで脳天から切るような人だからやはり許せない。

 最後の海女たちの皆殺し連携プレーは素晴らしくて涙が出る。ウニ!タコ!サメ!
 喫茶店のオップンも、並みの映画だと男たちにいいように使われてそうだけれども、抜群の芝居(?)を武器に一貫してシスターフッドをむんずとつかみ続ける、とてもいい子だった。





『ルックバック』を観た。

 前評判どおり、とてもよかった。
 雨の中を踊るように走るシーンに、号泣。
 音楽もとてもよかった。

 それにしてもルックバックというタイトルは、どうしたってoasisを想起させるし、あの曲とは無関係とは言わせないぞとも思うので、それだけで私には胸がざわつく。大切なようでいて、思い出したくない気持ちもある中高時代のある自分には、あまりにも「奇しくも」なひっかかり。

 藤野と京本の関係は、序盤こそ幸福なものだったけれど、どんどん不健康なものになっていったので、別々の道を歩んだことは正解だった。あんたに、私と離れて大学に進むなんてムリだと叫ぶ藤野の「子離れできない」親みたいなエゴ。寂しいから離れたくない気持ちと、自分に依存しきってると思っていた子が独り立ちすると言い出したことへのイラつき、いつまでも2人で一緒に歩むと思ってる自分の方が実は子どもだったと気づかされた悔しさ。どれも分かるから、痛々しい。




(続き)
 終盤、どうしても分かってもらいたい友人に対して、心を振り絞るように「だって私、寝てたし」とつぶやき、友人は「それって…」と驚愕し「気づけなかった」と謝る。そのやりとりによって、言葉は持っていないけれども、あれは正しくない、あれは私が望んだものではない、と確信したのだと思う。私がついてるから、という友人の手を握って笑顔が戻る姿に、女性にとって何よりもシスターフッドが希望だというメッセージが込められている気がして、泣いた。

 男性の描き方もリアルだった。直接の加害者のアイツはもとより、タラの様子の変化に気づいて心配そうに寄りそう男も、気遣う様子はすごーく優しそうではあるものの、タラに対し「ひどい男だろ」と共感するだけ。「あいつとは幼なじみなんだ」という語りは、むしろ、「幼なじみだから、あいつを非難することはできないんだ」という弁明に聞こえる。おおよそを察しながらも、男を敵にまわすことはできない、ホモソーシャルに浸りきって抜け出ることができない小ささが、めちゃくちゃうなづける男性描写だった。
 性的同意とはなんぞや、という教材に最適な映画。みんな観てほしい。




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『HOW TO HAVE SEX』を観た。

 終始、言葉で表現しにくい苦しい感情の渦に胸が痛んだ。
リアルな表情の変化、主人公たちの芝居が見事。
 早く経験せねばならない、そうでないと「大人になれない」「ダサい」、性的な魅力をより多くふりまける者が勝ち、というプレッシャーに焦る女の子たち。主人公タラは、そのプレッシャーをすっかり内面化しているようでいて、しかし実は違う。その本心に自分で気づけておらず、友達に煽られれば流される。

 ゴミだらけの通りを呆然と歩きながら「私がずっと求めていたのは、これだったんだろうか」「これは、望みが叶ったというのだろうか」と自問し続ける姿。翌晩、一人で固い表情のまま音楽にのって踊ろうとする姿も、ノリきれない心を必死で振り払って「楽しまねばならない」「何も問題はない」と思いたがっていることがまざまざと伝わってくる。断らなかった、という厳然たる事実は、性的同意について知識も教育もない女の子には、あまりにも重い。彼女は「断らなかった」と「断れなかった」との区別がつかないからだ。
 




 着物も浴衣も、「こう着なければならない」「草履/下駄でなければならない」という口うるさい保守的な"着付け警察"が騒げば騒ぐほど、滅ぶと思う。
 着付けがめんどうで動きづらいのは厳然たる事実で、ラクにラフに着ていいんだというアップデートができなければ、誰も着なくなるもの。
 着物やら浴衣やら日本の市民の着るものだって時代と共にどんどん変化したあげくの、あの形態なのであって、形状や着用方法が変化するのは必然でしょう。

news.yahoo.co.jp/articles/27f6
 



 「相手は人間ではない」「相手は人間以下の下等で邪悪な存在だ」と信じ込んだり洗脳されたりすることで、虐殺は実現できる。
 イスラエルは国民を殺人マシーンに育て上げている。
 彼らの信じる神って、一体なんなんだろう。虐殺を命じる神などいるはずもなく、支持する神もいない。殺すな。

イスラエルがガザの学校攻撃、30人死亡と現地保健省
bbc.com/japanese/articles/cydv

<イスラエル国防軍(IDF)はソーシャルメディア「テレグラム」で、標的にしたハディジャ学校の中にハマスの司令部があったと説明している。
IDFはさらに、ハマスが学校の敷地を武器庫や攻撃作戦の立案・指揮に使っていたと付け足した。
ハマス運営のガザ保健省によると、現地の映像から、被害者は民間人で、そのほとんどが子供だったことがわかるという。BBCは、負傷者の中に子供たちがいることを示す動画を検証して確認した。>






 最低最悪だ。
 恥を知れ!!!

パレスチナ人被収容者を虐待か、兵士9人拘束 イスラエル軍
afpbb.com/articles/-/3531453?c

<同基地には、兵士が拘束されたのを聞きつけた極右の民間人が押し寄せ、兵士への支持を表明。一部は侵入を試みた。
 兵士が収容された北部クファルヨナのベイト・リド基地にも民間人が集まり、拘束に対する抗議デモを行った。>

 つまり、
 パレスチナ人なんて虐待してしまえ!虐待して何が悪い!!というイスラエル市民が「抗議デモ」をしているという、あまりにもおぞましい、ひとでなしな行動。心から軽蔑する。





30数年前の塾の名簿は、プライバシーの感覚が無いので氏名も小学校名も掲載されている。
 ここまで生きてきてその名簿を見返すと、あの人も、あの人も、載っている。ほぼそのまま社会の「上澄み」としてスライドしていることが分かる。特に文系の場合は、正直いって法曹しか行き着くところがないから、「あなたはもしかして、あの」という邂逅ばかり。とても複雑な気持ちになる。

五輪に沸き立つ人、全員これ読むべし。
やっぱり、隣の芝はそこまで青くない…。そして『バティモン5』は必見。

「閉鎖的なフランス映画界の体制をぶち壊したかった」 気鋭の監督ラジ・リ、最新作『バティモン5 望まれざる者』インタビュー
cinra.net/article/202405-block

<パリオリンピックも貧困地区に住んでいる住民には何も還元されません。たとえば貧しい人々がたくさん住むセーヌ・サン・ドニもオリンピック会場の一つになるのですが、試合が行なわれる場所の100m先ではみんなが食べ物に困っている現実があります。近隣でのそういった貧困問題は放置しながら、オリンピックには何十億ユーロも費やすなんて信じられません。入場券1枚が1000ユーロもするなんて、一体どうなっているんでしょうか。>





『ジャッカルの日』(続き)

ホテルでマダムとあっさり不倫関係になる背後で老齢の女性が倒れて救急車騒ぎになるくだりは、意味がよく分からなかったのが残念。ルンルン♬とロブスターを買ってきた彼が気の毒、、、当時のパリのゲイカルチャーはよく分からないけれど、ホテルに泊まるわけに行かないということで彼をひっかけた、のだとすると、ああいうサウナがゲイの「出会いの場」だったのかな~とも思う。
 仕込み銃が松葉杖として使われてからの最後までのシークエンスは、瞬きもできない。まさかそういうワケで弾が外れるとは。




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