(続き)
終盤、どうしても分かってもらいたい友人に対して、心を振り絞るように「だって私、寝てたし」とつぶやき、友人は「それって…」と驚愕し「気づけなかった」と謝る。そのやりとりによって、言葉は持っていないけれども、あれは正しくない、あれは私が望んだものではない、と確信したのだと思う。私がついてるから、という友人の手を握って笑顔が戻る姿に、女性にとって何よりもシスターフッドが希望だというメッセージが込められている気がして、泣いた。
男性の描き方もリアルだった。直接の加害者のアイツはもとより、タラの様子の変化に気づいて心配そうに寄りそう男も、気遣う様子はすごーく優しそうではあるものの、タラに対し「ひどい男だろ」と共感するだけ。「あいつとは幼なじみなんだ」という語りは、むしろ、「幼なじみだから、あいつを非難することはできないんだ」という弁明に聞こえる。おおよそを察しながらも、男を敵にまわすことはできない、ホモソーシャルに浸りきって抜け出ることができない小ささが、めちゃくちゃうなづける男性描写だった。
性的同意とはなんぞや、という教材に最適な映画。みんな観てほしい。