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「彼[タルコット]の[生物学から]本格的な社会科学への転身は、大学卒業後に延期されることになった。とはいえ彼は、4年生のときに、ドイツ人マンスィ=ゾーン教授のドイツ哲学と、スコットランド人ブラウン教授のカント『純粋理性批判』のゼミとを履修している。カントのゼミは、6人だけの少人数で英語版を読んだものであるが、のちに彼が、カントの影響は学生時代以来のものであるとのべているのは、この学習の結果である」44頁

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「後年彼[タルコット]は、生物学研究の新しい展開をフォローしうる力をもったことは幸いであった、と回想している」44頁

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「ピートという愛称でよばれていたパーソンズは、キャンパスにおいて、社会主義者のリーダーとして登場していたのである」41頁

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タルコット「私たちは彼ら[ハミルトンやエイルズ]から、経済的社会的秩序というものは、逃れえない自然法の問題ではなく、人間の調整arrangementの問題であり、それゆえ、人間のコントロールにしたがうものであるという観点を学んだ」38頁

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「子供のころから、虫をつかまえたり小さなサメ(dogfish)を解剖するのがすきだったタルコットは、[アマースト]大学に入学するや、生物学を専攻した。…兄チャールズの影響もあって、将来生物学の大学院にすすむか、医師になろうと考えていたからである。…生物学を主専攻としたタルコットは、優秀な成績をあげ、アマーストの奨学金をえて、海洋生物の研究をすすめるため、マサチューセッツ南東部の海岸都市ファルマスFalmouthにあるウッズ・ホール研究所(Woods Hole Laboratory)にかよって、実験にせいをだした。同時に彼は、『生物進化』のコースの実験助手も務めることとなった」36-7頁

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「アリゾナ州の砂漠で砂にはまって動けなくなった車を、[高校生の]タルコットが一人で持ちあげて脱出させた…6フィートもある丸太をひとたちのもとに割った」😅 30頁

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タルコット「父は広い学問的関心をもち、チャールズ・ダーウィンの理論をうけいれ、科学を宗教の補完物とみなしていた」23頁

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「[父]エドワードは、キリスト教社会主義に非常に近い、左派の立場に立っている」15頁

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「パーソンズ家は、純粋度の高い『アメリカ型資本主義』の担い手である、『ヤンキー・マーチャントの系譜』に立つということもできる」10頁

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高城和義(1992)『パーソンズとアメリカ知識社会』岩波書店

訳者文庫版あとがき(2008)「『負エントロピー』という言葉は、その直後の原註にもかかわらず、やっぱり誤解を招きやすい言葉だ。なぜなら、今日の物理的科学には熱力学のエントロピーと通信工学に由来する情報理論のエントロピーという2種類のエントロピーがあって、この両者が分子生物学の大学教授などによっても、しばしば混同され過誤や混乱を助長しているからだ。私はたまたま最近(2007年)出版された通俗科学書のベストセラーものの一つに、この混同と過誤の誠に見事な標本を見つけたので、ここに引用する」214頁
…として、福岡本(『生物と無生物のあいだ』)がシバかれています🤣🤣🤣

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訳者新書版あとがき(1975)「本書におけるシュレーディンガーの立場に最大の科学的論拠を与えた実験物理学者デルブリュック…は、1940年代初期から微生物学者ルリアと共同して細菌やウイルスの遺伝的変異の研究に取り組み、1950年代になってレプリカ法という巧妙な実験方法を案出して、細菌集団に生ずるいかにも獲得形質の遺伝のように見える環境適応現象が正統派の唱えたとおりの仕方でおこることを決定的に実証しました」189-90頁

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「物理学者に対して強調したいのですが、私の見解では、或る一定の人々の懐いている意見とは反対に、これらの[生物体の中で行われる]現象の中では量子論的な不確定性は生物学的にみて重要な役割は何も演じておりません。ただし例外として、減数分裂や自然発生的およびX線により誘起される突然変異などのような現象においては、おそらくその純粋に偶然的な特性を強化することにより生物学的に重要な役割を果しております」171-2頁

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「[ワルター]エルンストの発見[熱力学の第3法則]は、室温でさえも多くの化学反応においてエントロピーの演ずる役割は驚くほどわずかであるという事実から導き出されたものです」167頁

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「<秩序性を生み出す2つの道>
…そもそも秩序正しい事象を生み出すことのできる『仕掛け』には、2通りの異なるものがあるように思われます。すなわちその一つは『統計的な仕掛け』であって、これは『無秩序から秩序』を生み出すものです。もう一つの新しいものは『秩序から秩序』を生み出すものです。…生きているものの最も著しい特徴は明らかにかなりの程度まで『秩序から秩序へ』の原理に基づいている…
…一口にいえば、純粋に機械的な現象はすべてはっきりとしかも直接に『秩序から秩序へ』の原理に従っているように見えます。そしてこの場合、『機械的』という言葉は広い意味にとらなければなりません。…
…生命を理解するには、生命は一つの純粋な機械的仕掛けすなわちプランクの論文で用いられている意味での『時計仕掛け』に基づいているということが手掛かりとなる」159・161-2頁

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「それ[生物体]を操るものはきわめて高度の秩序を具えた一団の原子であり、しかもその原子団はどの細胞の中でもその細胞全体の中でのごく小部分を占めているにすぎないものだということがわかります。そればかりでなく、突然変異のしくみについて考えてきたところから、生殖細胞の『支配的原子団』の中でほんの少数の原子が位置を転ずるだけでも、生物体の目で見える程度の遺伝的特徴にはっきりとした変化を起こさせるに十分である…
…生物体が『秩序の流れ』を自分自身に集中させることによって、崩壊して原子的な混沌状態になってゆくのを免れるという生物体に具わった驚くべき天賦の能力、すなわち適当な環境の中から『秩序を吸い込む』という天分は、『非周期性固体』と呼ぶべき染色体の存在と切り離せない結びつきがあるように思われます」152-3頁

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「生きているものは物理学の普通の法則に帰着させることのできない或るやり方で働きを営んでいる…しかもそれは生きている生物体内の一つ一つの原子の行動を指図する何か『新しい力』とか、あるいは力以外の何ものかが存在するということを根拠としているのではなく、生きているものの構造が、物理の実験室でいままで研究されてきたどんなものとも異なっているという理由に基づきます」151頁

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「温血動物の体温が割合に高いことは、エントロピーを割合に速く棄て去ることができるという利点をもっていて、そのため温血動物は比較的活発な生命の営みをすることができる」148頁

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「<生物体は環境から『秩序』をひき出すことにより維持されている>
…『生物体は負エントロピーを食べて生きている』、すなわち、いわば負エントロピーの流れを吸い込んで、自分の身体が生きていることによってつくり出すエントロピーの増加を相殺し、生物体自身を定常的なかなり低いエントロピーの水準に保っている…
 Dが無秩序の目安となる量だとすれば、その逆数1/Dは秩序の大小を直接表わす量だと考えられます。…
−(エントロピー)=k log(1/D)
…『エントロピーは負の符号をつければ、それ自身秩序の大小の目安となる』…生物が自分の身体を常に一定のかなり高い水準の秩序状態(かなり低いエントロピーの水準)に維持している仕掛けの本質は、実はその環境から秩序というものを絶えず吸い取ることにあります。…植物は『負エントロピー』を与える最大の供給源を太陽の光に求めます」145-6頁

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「エントロピー=k logD
この式でkはいわゆるボルツマン定数(=3.2983×10^-24 cal/℃)であり、Dは問題にしている物体の原子的な無秩序さの程度を示す目安となる量です。このDという量を簡単に専門的な術語を使わずに説明することはほとんど不可能です。このDの示す無秩序は、一部分は熱運動の無秩序であり、一部分は、異なる種類の原子または分子がきちんと別々に分離していないで…混ぜ合わされていることに由来する無秩序です。…
…エントロピー増大という物理学の基礎的法則は、ものごとは、人がそれを防がない限り自然に混乱状態へと近づいてゆく傾向をもっていることに他ならない」143-5頁

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