〈Abstract〉
「地位の非一貫性ーーある個人のいくつかの評価される属性の間の葛藤ーーは、地位特性の適切な組合せを定義する社会的ルールに関して起きると見なされる。これらの<一致ルール>は、実にいろいろなやり方で地位の組合せを再定義するように作動しているのかもしれない。さらに、(属性と一致ルールのクラスターを持つ)あるポジションに2番目の社会的ポジションを付加すると、いろいろなやり方のうちのどれにおいても均衡した状況を阻害するかもしれない。これら解釈の問題は、曖昧さの不確かな結果や、適切なルールと属性の定義をめぐる社会的葛藤を考慮しない時ですら発生する。問題は全て、非一貫性の定義と予測を非常に不確かなものにして、研究戦略を難しいものにするように作動する」p.91.
《いくつかの予備的考察》
「(a)…地位の<非一貫性>の多くの効果は、基本的な地位次元の行動への独立の効果から区別することがほとんど不可能である…(b) いくつかの次元に関して非一貫的に評価されている人々に現れる葛藤やストレスは、彼らの<階層上の>不均衡とは全く関係ないかもしれず、代わりに彼らの社会的ポジションの(評価を受けていない)諸側面における葛藤から生じているかもしれない。そのような葛藤は、そのようなポジションの頻度が少ないという理由だけで異なって評価されているポジションの間ではありふれているかもしれない…(c) 行為者のポジションや属性の非一貫的な評価は、非一貫的にランク付けされた行為者の行動や態度に影響を与えるかもしれないが、他の関係者(party)にはもっと影響を与えるかもしれない。(d) 地位の非一貫性の結果として、どんな帰結が<起動(activate)>されるのかを予測するための基礎はほとんど存在しない」p.92.
「特に高度に分化した社会においては、一致ルールないし規範は、地位ポジションの適切な組合せを直接に特定化することができにくくなる。つまり、属性の組合せはますます自由に変化する(ジンメル」p.97.