〈Abstract〉
「地位の非一貫性ーーある個人のいくつかの評価される属性の間の葛藤ーーは、地位特性の適切な組合せを定義する社会的ルールに関して起きると見なされる。これらの<一致ルール>は、実にいろいろなやり方で地位の組合せを再定義するように作動しているのかもしれない。さらに、(属性と一致ルールのクラスターを持つ)あるポジションに2番目の社会的ポジションを付加すると、いろいろなやり方のうちのどれにおいても均衡した状況を阻害するかもしれない。これら解釈の問題は、曖昧さの不確かな結果や、適切なルールと属性の定義をめぐる社会的葛藤を考慮しない時ですら発生する。問題は全て、非一貫性の定義と予測を非常に不確かなものにして、研究戦略を難しいものにするように作動する」p.91.
《属性を統合する規範定義の違反としての非一貫性》
「我々は今や、非一貫性の社会学的に関連した概念に到達した。すなわち、<規範的な一致ルールが地位属性間の適切な関係を特定化する時、地位属性をそれらルールに違反する地位へと配分することが、非一貫的なものとして経験される>」p.94.
「規範に比しての、一種の地位−属性の一般的な過剰供給ないし過少供給がある。(a) 急速に成長する経済は、名声や敬意の制度が反応し得るよりもすばやく、新たな報酬や市場ニーズを作り出すかもしれず、多くの人々は地位が一貫しなくなる。このことは、米国が言及されてきた地位の非一貫性や地位政治と何か関係があるかもしれない。…(b) 衰退しているか発展していない経済、あるいは拡張した地位秩序は、多くの人から、彼らが与えられていたレベルの報酬や資源を奪うかもしれない。…(c) いろいろな一般的文化ルールが、いくつかの地位-属性を弱めるように作動するかもしれない。かくして、米国の職業的な名声秩序は他の産業社会に見られるものと似てはいるものの、この名声を服装・言語・敬意において目に見えるものにしているルールは弱いか、あるいは禁止さえされている」p.95.