《いくつかの予備的考察》
「(a)…地位の<非一貫性>の多くの効果は、基本的な地位次元の行動への独立の効果から区別することがほとんど不可能である…(b) いくつかの次元に関して非一貫的に評価されている人々に現れる葛藤やストレスは、彼らの<階層上の>不均衡とは全く関係ないかもしれず、代わりに彼らの社会的ポジションの(評価を受けていない)諸側面における葛藤から生じているかもしれない。そのような葛藤は、そのようなポジションの頻度が少ないという理由だけで異なって評価されているポジションの間ではありふれているかもしれない…(c) 行為者のポジションや属性の非一貫的な評価は、非一貫的にランク付けされた行為者の行動や態度に影響を与えるかもしれないが、他の関係者(party)にはもっと影響を与えるかもしれない。(d) 地位の非一貫性の結果として、どんな帰結が<起動(activate)>されるのかを予測するための基礎はほとんど存在しない」p.92.
「規範に比しての、一種の地位−属性の一般的な過剰供給ないし過少供給がある。(a) 急速に成長する経済は、名声や敬意の制度が反応し得るよりもすばやく、新たな報酬や市場ニーズを作り出すかもしれず、多くの人々は地位が一貫しなくなる。このことは、米国が言及されてきた地位の非一貫性や地位政治と何か関係があるかもしれない。…(b) 衰退しているか発展していない経済、あるいは拡張した地位秩序は、多くの人から、彼らが与えられていたレベルの報酬や資源を奪うかもしれない。…(c) いろいろな一般的文化ルールが、いくつかの地位-属性を弱めるように作動するかもしれない。かくして、米国の職業的な名声秩序は他の産業社会に見られるものと似てはいるものの、この名声を服装・言語・敬意において目に見えるものにしているルールは弱いか、あるいは禁止さえされている」p.95.
《属性を統合する規範定義の違反としての非一貫性》
「我々は今や、非一貫性の社会学的に関連した概念に到達した。すなわち、<規範的な一致ルールが地位属性間の適切な関係を特定化する時、地位属性をそれらルールに違反する地位へと配分することが、非一貫的なものとして経験される>」p.94.