7月に買った本。『星の時』が忘れがたくて発売を心待ちにしていたクラリッセ・リスペクトル『ソフィアの災難』、最高な短篇集でした。
どんな本なのか何も知らずに開いた柴崎友香『百年と一日』は読みながら様々な感情が去来して、いてもたってもいられなくなった。
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◆『歩き娘 シリア・2013年』サマル・ヤズベク/柳谷あゆみ 訳
◆『約束』デイモン・ガルガット/宇佐川晶子 訳
◆『ソフィアの災難』クラリッセ・リスペクトル/福嶋伸洋、武田千香 訳
◆『感情のアーカイヴ』アン・ツヴェッコヴィッチ
◆『お砂糖ひとさじで』松田青子
◆『バトラー入門』藤高和輝
◆『戦争ミュージアム ──記憶の回路をつなぐ』梯久美子
◆『なぜ難民を受け入れるのか ──人道と国益の交差点』橋本直子
◆『強迫症を治す』亀井士郎、松永寿人
◆『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア=マルケス/鼓直 訳
◆『生贄の門』マネル・ロウレイロ/宮崎真紀 訳
◆『モルグ館の客人』マーティン・エドワーズ/加賀山卓朗 訳
◆『風に散る煙(上・下巻)』ピーター・トレメイン/田村美佐子 訳
◆『フェミニズム』竹村和子
◆『百年と一日』柴崎友香
◆『double 彼岸荘の殺人』彩坂美月
◆『映画とポスターのお話』ヒグチユウコ、大島依提亜
アンソロジーと言えば、『MONKEY』の「ニュー・アメリカン・ホラー」特集で柴田元幸さんが書いていたが、ホラー・アンソロジーが次々に出たり文芸誌でもホラー特集が組まれるなど、ホラーはいま「旬」とのこと。
ジョーダン・ピール監督が編者の一人の黒人ホラーアンソロジーや、先住民族作家たちによるホラーアンソロジーとか、絶対読みたい!邦訳が出てほしいなあ。
今号での掲載作品も、ネイティブ・アメリカンやアフリカン・アメリカンである作家のエスニシティから生まれた「ホラーと政治が溶けあったような」物語で、すごく良かった。
ところで今回の『MONKEY』、うちの最寄りの大型書店ではかなり早く売り切れていた。普段はもっとジワジワと減っていくのに。
海外ホラー特集の需要が実はめちゃくちゃあるのか、みんなブライアン・エヴンソンが大好きなのか(私も『ウインドアイ』が好き)、ヒグチユウコさんの表紙に惹かれた人も多くいたのか。