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7月に買った本。『星の時』が忘れがたくて発売を心待ちにしていたクラリッセ・リスペクトル『ソフィアの災難』、最高な短篇集でした。
どんな本なのか何も知らずに開いた柴崎友香『百年と一日』は読みながら様々な感情が去来して、いてもたってもいられなくなった。

◆『歩き娘 シリア・2013年』サマル・ヤズベク/柳谷あゆみ 訳
◆『約束』デイモン・ガルガット/宇佐川晶子 訳
◆『ソフィアの災難』クラリッセ・リスペクトル/福嶋伸洋、武田千香 訳
◆『感情のアーカイヴ』アン・ツヴェッコヴィッチ
◆『お砂糖ひとさじで』松田青子
◆『バトラー入門』藤高和輝
◆『戦争ミュージアム ──記憶の回路をつなぐ』梯久美子
◆『なぜ難民を受け入れるのか ──人道と国益の交差点』橋本直子
◆『強迫症を治す』亀井士郎、松永寿人
◆『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア=マルケス/鼓直 訳
◆『生贄の門』マネル・ロウレイロ/宮崎真紀 訳
◆『モルグ館の客人』マーティン・エドワーズ/加賀山卓朗 訳
◆『風に散る煙(上・下巻)』ピーター・トレメイン/田村美佐子 訳
◆『フェミニズム』竹村和子
◆『百年と一日』柴崎友香
◆『double 彼岸荘の殺人』彩坂美月
◆『映画とポスターのお話』ヒグチユウコ、大島依提亜

『BRUTUS』のSF特集も面白かった。294作品を紹介する「現代SFキーワード辞典」がすごいボリューム。
それと「海外SFの現在地」で橋本輝幸さんが紹介していた、アフリカ各国や南アジアの作品がどんどん日本で訳されてほしいな。挙げられていた未訳作品の中では特に、32人のアフリカ系作家のアンソロジー『Africa Risen』が気になる。
世界各国のアンソロジーをもっと読みたいよ。

『文藝』秋号の世界文学特集でも、粟飯原文子さんが「様々なアフリカ人作家によって様々な場所、様々な言語で書かれるアフリカ文学作品が翻訳されてほしい」と書いていたけれど、ほんとうに、同時代を生きる現代作家による「今」の作品をもっと読みたいし、広く出してほしいな。

アンソロジーと言えば、『MONKEY』の「ニュー・アメリカン・ホラー」特集で柴田元幸さんが書いていたが、ホラー・アンソロジーが次々に出たり文芸誌でもホラー特集が組まれるなど、ホラーはいま「旬」とのこと。
ジョーダン・ピール監督が編者の一人の黒人ホラーアンソロジーや、先住民族作家たちによるホラーアンソロジーとか、絶対読みたい!邦訳が出てほしいなあ。
今号での掲載作品も、ネイティブ・アメリカンやアフリカン・アメリカンである作家のエスニシティから生まれた「ホラーと政治が溶けあったような」物語で、すごく良かった。

ところで今回の『MONKEY』、うちの最寄りの大型書店ではかなり早く売り切れていた。普段はもっとジワジワと減っていくのに。
海外ホラー特集の需要が実はめちゃくちゃあるのか、みんなブライアン・エヴンソンが大好きなのか(私も『ウインドアイ』が好き)、ヒグチユウコさんの表紙に惹かれた人も多くいたのか。

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