『BRUTUS』のSF特集も面白かった。294作品を紹介する「現代SFキーワード辞典」がすごいボリューム。
それと「海外SFの現在地」で橋本輝幸さんが紹介していた、アフリカ各国や南アジアの作品がどんどん日本で訳されてほしいな。挙げられていた未訳作品の中では特に、32人のアフリカ系作家のアンソロジー『Africa Risen』が気になる。
世界各国のアンソロジーをもっと読みたいよ。
『文藝』秋号の世界文学特集でも、粟飯原文子さんが「様々なアフリカ人作家によって様々な場所、様々な言語で書かれるアフリカ文学作品が翻訳されてほしい」と書いていたけれど、ほんとうに、同時代を生きる現代作家による「今」の作品をもっと読みたいし、広く出してほしいな。
アンソロジーと言えば、『MONKEY』の「ニュー・アメリカン・ホラー」特集で柴田元幸さんが書いていたが、ホラー・アンソロジーが次々に出たり文芸誌でもホラー特集が組まれるなど、ホラーはいま「旬」とのこと。
ジョーダン・ピール監督が編者の一人の黒人ホラーアンソロジーや、先住民族作家たちによるホラーアンソロジーとか、絶対読みたい!邦訳が出てほしいなあ。
今号での掲載作品も、ネイティブ・アメリカンやアフリカン・アメリカンである作家のエスニシティから生まれた「ホラーと政治が溶けあったような」物語で、すごく良かった。
ところで今回の『MONKEY』、うちの最寄りの大型書店ではかなり早く売り切れていた。普段はもっとジワジワと減っていくのに。
海外ホラー特集の需要が実はめちゃくちゃあるのか、みんなブライアン・エヴンソンが大好きなのか(私も『ウインドアイ』が好き)、ヒグチユウコさんの表紙に惹かれた人も多くいたのか。
#読書