「女性と子どもを守る」という言葉は関東大震災時朝鮮人虐殺でも使われていたこと、朝鮮人である「女性と子ども」が虐殺されたこと。虐殺と「男らしさ」のかかわり。
#読書
民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代
https://www.chuko.co.jp/shinsho/2020/08/102605.html
“朝鮮人女性に対する性暴力が行われた一方で、流言では「朝鮮人が日本人女性を強姦している」という内容が広く流れたことが、近年の研究で指摘されている(金富子「関東大震災時の「レイピスト」神話と朝鮮人虐殺」)。”
“朝鮮人が徒党を組んで日本人を襲撃するという流言に対し、実際には日本人が自警団を組んで朝鮮人を襲撃していたことと、全く同じ構図である。”
“朝鮮史研究者の金富子は、日本人男性による朝鮮人の虐殺は、「想像上の「朝鮮人レイピスト」から日本人女性を守るための日本人男性による「男らしさ」の発揮」であったとも指摘している。”
#読書
民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代
藤野裕子 著https://www.chuko.co.jp/shinsho/2020/08/102605.html
(略)“「民間人によるデマ、民間人による虐殺」というイメージは、軍隊・警察による殺害が犠牲者数の調査に含まれず、死体が隠滅され、裁判で裁かれないという事後処理が深く関係している。
しかし、人が生きてきた痕跡、人を殺した痕跡を、そのように簡単に消すことはできない。虐殺の現場から何とかして逃げ出し、生存した朝鮮人が、いたことは先に述べたとおりである。
その人びとが戦後になって語った証言によって、歴史が紡ぎなおされていった。現場となった地域住民の目撃証言・加害証言も長い時間をかけて収集され、編纂された。かつて埋められた犠牲者の遺骨が発掘された地域もある。地域の人びとによる追悼集会・慰霊祭も毎年開かれている。新聞の投書、手記や日誌の断片の数々を丹念に拾い集めてまとめた書籍もある。本書で紹介した史料は、そうした成果のごく一部である。”
『民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代』
https://www.chuko.co.jp/shinsho/2020/08/102605.html
https://fedibird.com/@takako3599/111303960299392002 [参照]