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文学フリマ福岡レポ、購入品の感想はまた後日にしますが、今まで参加した文学フリマの中で一番、車椅子のお客様をたくさんお見かけした件を書き残しておきたいです。客が少なめ、通路が広めってすばらしい。みんなゆっくり各ブースの頒布物に目を通している。

文学フリマ福岡の会場で知人にもらった『読婦の友』は、編集者や書店員、元書店員ほか福岡の女性たちによる読書系ミニコミパンフレットで、9年間に10号まで発行。
いきなり見出しが『「角田源氏」マラソン全員棄権」』だったので思わず笑顔になってしまいました。
個人の生活と読書がつながっている様子が垣間見れて元気をいただきました。

『複 vol.1 福岡を、すいとらん?』(複編集部, 2023.11)はとても真摯な論考集でした。寄稿者4人は福岡出身者とそれ以外が半々で、ほとんどが大学院生のようです。郷土史あり、現代社会/文化史ありですがどれもものすごく親切で、門外漢も読めばゼロからわかるように書かれています。
イチオシの寄稿者はohyoさんで、北九州市の水巻町で1950年代後半に刊行されていた炭鉱「サークル誌」いわばzineの先祖の内容を回顧する「炭鉱が背負った十字架」と、福岡のライヴ会場やビートメイカーを丹念に紹介した「革命の鼓動に揺れる福岡」どちらも良記事でした。
他の記事もアジアやアメリカと福岡の関係性を批判的に振り返ったり、市長のポピュリズムっぽさを詳細に解説したりと充実しています。

文学フリマ福岡ではゆっくり会場を回れたのですが、エッセイや体験記が充実していた印象があります。

かふね『102-90-77』(2022年発行)は“クィアなプラスサイズのフェミニストが、日々のあらゆる「ままならなさ」を形にしてみようとして生まれたZINE(エッセイ集)”というコンセプトで、柔和でありつつも公に語りづらいトピックを語る文章表現が卓越していました。
c.bunfree.net/p/fukuoka09/3289

『MagazineF(vol.2)』(竹輪書房)の「レズビアンコミュニティに馴染めない座談会/AOI+えのき+おぐら」は非常に共感できる話で、マイノリティの中のマイノリティの居場所について祈りたくなりました。
イベントの直前にグーグルマップを見て、福岡の中心地に雑居ビルとはいえビアンバーがあるとちょうど気づいたところだったので、その利用体験談が読めたのはタイムリーでした。
chikuwashobo.booth.pm/items/46

最近はあまりイベントで買った同人誌/ZINEの感想を書いていなかったのですが、今回手に入れた本は九州で暮らす個人の生活と密接な内容ばかりで、簡単なものでも感想を残しておきたいと思いました。10~20年前の状況もあっさり辿れなくなるので。

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