久生十蘭「黄泉から」読んだ。泉鏡花を近代にアップグレードした感じ。結末はどういうことなんだ。

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「生霊」•••絵描きの松久三十郎が山間の宿に着くと、宿の主人に二年前に戦争で亡くなった関原弥之助に間違えられる。三十郎は宿の小娘に近くの川沿いで盆踊りがあるので行ったらどうかと言われ行ってみると音頭が聴こえてくる。この辺では狐が踊り子に化けて出るという評判があったので狐の仕業だと思い近づいて一緒に踊っていると、その踊り子は狐が化けたのではなく人間であることが分かる。踊り子は三十郎に弥之助の生霊のフリをして祖父母に会ってくれないかと頼み、お盆の日に会いに行くと祖父母は涙を流して喜び丁重な歓迎を受ける。

「黄泉から」と「生霊」はコインの裏表みたいな作品でどちらも戦争と遺族の話。もしかしたら十蘭の作品は全部こんな感じなのかもしらんけど

「南部の鼻曲がり」•••出稼ぎでアラスカの鮭缶詰工場に向かう途中の船で、寿太郎はshe-boy(
ナヨナヨして色気がある男)の日系二世モーリーと出会う。彼はどちらの国籍を選ぶか悩んだ挙げ句snow(コカイン)に手を出し苦しんでいたが、コカインをキッパリやめて真っ当なアメリカ国民になるためにアラスカで働くことにした。寿太郎にとってモーリーは唯一の日本人であり仲良くしたい存在であったが、アメリカ国民になる覚悟をしたモーリーにとって彼は自分を過去に引き戻す邪魔な存在であり、二人のソリは合わなかった。重労働によって体を壊し、自らの不甲斐なさに絶望したモーリーは自殺を図るが、すんでの所で寿太郎が彼を助け、恩義を感じるようになる。その後戦争が起こり、終わり、東京で彼らは偶然再会することとなる。

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