「南部の鼻曲がり」•••出稼ぎでアラスカの鮭缶詰工場に向かう途中の船で、寿太郎はshe-boy(
ナヨナヨして色気がある男)の日系二世モーリーと出会う。彼はどちらの国籍を選ぶか悩んだ挙げ句snow(コカイン)に手を出し苦しんでいたが、コカインをキッパリやめて真っ当なアメリカ国民になるためにアラスカで働くことにした。寿太郎にとってモーリーは唯一の日本人であり仲良くしたい存在であったが、アメリカ国民になる覚悟をしたモーリーにとって彼は自分を過去に引き戻す邪魔な存在であり、二人のソリは合わなかった。重労働によって体を壊し、自らの不甲斐なさに絶望したモーリーは自殺を図るが、すんでの所で寿太郎が彼を助け、恩義を感じるようになる。その後戦争が起こり、終わり、東京で彼らは偶然再会することとなる。