そこに「フランス近代の最も根本的問題[神をめぐる宗教的・政治的問いとその帰趨]の導入をなしている。それは、スタイルは確かにきわめて異なるとはいえ、ピエール・ベニシューによるもうひとつの偉大な同時代の著作を彷彿とさせる。この著作は、「一方では啓蒙主義、他方では人間性のコント流の宗教との間に、ライシテ的な霊的権力(2)が出現した」歴史を辿ろうとするものである。フランスは教会権威から解放されたが、カトリックのままであった」と書き、ベニシューとの問題の地平の共有を強調している(Furet, 1996, Gallimard)。
フランス啓蒙とフランス革命における「宗教政治論」について──というよりももはや「啓蒙」を歴史社会学的に再評価する上で──基本的な議論が、『啓蒙思想の百科事典』にも紹介したCaterine MaireのL’Église dans l’État : politique et religion dans la France des Lumières, Gallimard, 2019だろう。この書籍の内容を講じていた著者MaireのEHESSのゼミには、幸いにもサバティカル時期に参加できた。彼女の生活上のパートナー、哲学者マルセル・ゴーシェも欠かさずそこには参加していた。デュプロンの研究にこの
講義が負うところは、彼女自身の口から聞いたことがある。デュプロンの名はまた、G・ベンレカッサ『啓蒙の言語』(現在翻訳を研究会で準備中)にもきわめて印象的に引かれている。最近物故した歴史学者D. ロッシュ(1935-2023)の博士論文の指導者でもあった。