「上昇移動、変化への欲望の表現、現状改革主義(activism)そして政治的リベラリズムが、地位の一環しない人々の一部にに関する状況を再構築しようとするそのような試みから生まれる社会的表現であることが示されてきた。政治的極端主義に関して、著者[ラッシュ]は以前の論文で、米国の二大政党制が、現存の政治的枠組の内部での極端主義の表現の制度化されたチャンネルの発達を妨げており、極右の戦闘的で千年至福説的な側面が、米国政治システムにおけるこの要素が晒されている『正当性の危機』を反映していると、論じてきた。本論文では、極右が、『集産主義』により特徴づけられる社会における『個人主義』の現状改革的な政治哲学を与えていることが示唆される。現状改革主義はまた、地位の非一貫性への第一の反応であるように思われる。…地位の非一貫性に苦しむ人たちは、社会的に『引き離されている』にもかかわらず、特に政治的イシューが関わっているところでは、『現状改革的』であるようだ」p.87.
「極左主義と極右主義の<類似性>…現代米国社会には極左は事実上存在しないけれども、レンスキのリベラリズムの指標が、穏健で『リベラル』な左翼と、国民の中の極左の痕跡であったものとを区別していなかったことはあり得る。もしそうなら、そしてレンスキのデトロイト・エリアのデータが非常に多くの労働者階級の回答者を含んでいたかもしれないゆえに、レンスキが『リベラリズム』として測定したものの多くが実際には、リプセットの『労働者階級の権威主義』であるのかもしれない」p.92.
「レンスキとジャクソンはともに、<高い>職業ないし学歴が低い人種−民族的地位と結びつくと、地位が一貫しない人たちを『左翼』ないしリベラルな政治的反応へと仕向けることを発見した。本研究は、<低い>学歴地位が、『右翼』の政治的反応へと仕向ける上での際立った要因かもしれないことを示している」p.92.