「上昇移動、変化への欲望の表現、現状改革主義(activism)そして政治的リベラリズムが、地位の一環しない人々の一部にに関する状況を再構築しようとするそのような試みから生まれる社会的表現であることが示されてきた。政治的極端主義に関して、著者[ラッシュ]は以前の論文で、米国の二大政党制が、現存の政治的枠組の内部での極端主義の表現の制度化されたチャンネルの発達を妨げており、極右の戦闘的で千年至福説的な側面が、米国政治システムにおけるこの要素が晒されている『正当性の危機』を反映していると、論じてきた。本論文では、極右が、『集産主義』により特徴づけられる社会における『個人主義』の現状改革的な政治哲学を与えていることが示唆される。現状改革主義はまた、地位の非一貫性への第一の反応であるように思われる。…地位の非一貫性に苦しむ人たちは、社会的に『引き離されている』にもかかわらず、特に政治的イシューが関わっているところでは、『現状改革的』であるようだ」p.87.
「低い所得と高い学歴の結果としての地位の非一貫傾向は、極右主義の非常に不釣り合いな発生を招かないように思われる。この発見は、レンスキやジャクソンが行なった地位の非一貫性研究の知見と比べると意義深い。これらの研究者はともに、<高い>職業や学歴が低い人種−民族地位と結びつくと、地位の一貫しない回答者を『左翼』あるいはリベラルな政治的反応へと仕向けることを発見した。ある条件下では、高い所得と低い学歴が結びつくと右翼的態度を抱かせるかもしれない一方で、低い所得と高い学歴が結びつくと左翼的態度を抱かせるかもしれないのだ」p.91.