映画『ヒットマン』の内容に触れます
『ヒットマン』映画館で観てきた。大学の先生がニューオリンズ警察で盗聴機器に関するサポートをしていたら、不祥事を起こして休職処分になったおとり捜査官の代役をすることになって意外な才能が開花していくという話。
タイトル通り、殺し屋(ヒットマン)を演じて殺し屋に依頼してきた依頼人を逮捕するわけだが、劇中の裁判シーンで弁護士に指摘されるように、依頼人から「◯◯を殺してくれ」という決定的な一言を引き出すために誘導しているのは明らか。
オタク気質の気弱な教師だった主人公がセクシーで自信に満ちた殺し屋「ロン」の人格に少しずつ影響されていくところはサスペンスやサイコホラーにもできたと思うけど、本作はあくまでコメディ。
映画『ヒットマン』の内容に触れます
結局主人公は実際に人を殺すことになるのだが「世の中には殺されて当然の人間もいる」というような扱いで爽やかなハッピーエンドとして処理されるのが気持ち悪い。
そもそもおとり捜査ってどうしてもゲイバーにおけるおとり捜査を思い出す(捜査官のセクシーコスプレがまたそこを連想させるのだ)。ゲイであることは本来悪いことでもなんでもないのに対して誰かに殺人を依頼するのはたしかに悪いことではある、だけど、本来なら危険でもなんでもない人まで誘導によって取り締まることになってたんじゃないのかな。
役者の変身ぶりをダイジェスト版のようにあれこれ楽しむことができる点は大好きなんですが、コメディとして笑えない要素がわりと多め。あと、濡れ場は半分でいいと思う。
余談だけど「ロン」はめちゃくちゃブラピに似ている。若い頃のブラッド・ピット。いまのブラピよりかなりブラピ。エラの控えめなブラピ。
映画『ヒットマン』の内容に触れます
組織を壊滅させることを目指すような大掛かりな潜入捜査ものの方が心を痛めずにコメディとして楽しめるような気がする。ヒットマンではヒロイン以外はみんなそこそこ憎らしい依頼人に見えるようにはしてるけど、殺し屋に依頼するほど心の均衡を失った不憫な人が逮捕されてる感がある。