荒木あかね『ちぎれた鎖と光の切れ端』
すごく真っ当で大事な視点とメッセージが詰まっていてビックリしました。最近読んだミステリの中で、屈指の真っ当さ。
この社会で寄り添って生きる、血縁によらない関係性を描いているのも良かった。何より、めちゃくちゃ良い女バディが生まれたのが嬉しい〜!続編希望です。
家族間や部活動や会社組織で生じる、さまざまな形の抑圧や所有意識やパワハラといった加害と、権力勾配に無自覚でいること。
そうした健全ではない関係性を理解するまでの心理が、複数の人物を通じていろいろな角度から描かれているのが良かった。
たとえ加害者が「愛情ゆえ」と本心から思っていたとしても、それは正しくないし、受け入れる必要などないということもハッキリと。
めちゃくちゃ真っ当なメッセージのあるミステリで嬉しかったのに、またKADOKAWAが最悪すぎて……