アカデミー賞で、短編ドキュメンタリー賞での受賞スピーチが遮られたことへの批判が起きていると知ったが、これは私も観ていて本当に不公平だと感じた。
受賞者が複数人いる場合に、2人目のスピーチが許される人と許されない人がいたので、この差は何なの??とずっとモヤモヤしながら観てた。
短編ドキュメンタリー賞受賞の『エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆』は、スピーチ時間をオーバーしたわけでもないのに「2人目はご遠慮下さいね!」みたいに音楽が流れて遮られてしまったのに、直後に発表された短編アニメ賞では2人目もスピーチOKだったので、何なんだよと。
グニート・モンガさんを「インドの製作者で初のアカデミー会員」と紹介しておいて、スピーチはさせないって何……!?と残念だった。
発表順が前後にもかかわらず差があった上に、前者がインド人女性2人で後者がイギリス人白人男性2人だったのも、余計にうわっ……と思ってしまう。
他にもメイク・ヘアスタイリング賞は2人目NGだったのに、美術賞は2人目OKだったり。賞に優劣があるように感じられて、嫌だなあと。
短編アニメ賞発表の後はすぐにレディー・ガガのパフォーマンスだったから調整があったのかもしれないし、生放送で大変なのだとは思うけども……なんだかなあ。
短編ドキュメンタリー発表での冷遇に比べて、長編ドキュメンタリー部門で受賞した『ナワリヌイ』は、奥さんやお子さん達も登壇して、奥さんのユリアさんのスピーチで「感動的」に盛り上がっていたけれど……。
これも別の意味でマジで怖かった。
『ナワリヌイ』受賞を受けて、日本でもナワリヌイ氏を英雄視というか、リベラルな人格者として捉えている人が多いように感じて、ちょっと驚いている。
ドキュメンタリー作品『ナワリヌイ』の評価と、ナワリヌイ氏の政治信条や思想への認識は切り離して鑑賞されていると思っていた。
アカデミー賞での会場の好意的なムードは、プーチンによるウクライナ侵攻への批判を反映したものだとは思うけど、でもプレゼンターのリズ・アーメッドとクエストラヴが発表時に感極まってるのを見て、みんな普通によく知らないのでは……!?と思って怖い。