(続き)捕吏もまた過去に自分も知らない謎があり、どうも書きぶりとしては初対面のはずの太子と関係がありそう…? 「凶兆」は上巻にあたるので非常にいいところで「続く」になってしまった。明日にでも下巻を読みたい。三月に出ます。
追ってくる敵も魅力的なのがいいんだよなあ。もちろん私腹を肥やしてるだけのやつもいるが、敵の主役はやはり切れ者でいつも甘味を食べてる敏捷な女性&恩人である捕吏を極楽に送ろう(二重の意味)とする殺人者。ヤツが現れたら終わり、という絶望感の演出がとにかく上手だった。
あと終盤で人夫の「暴動」を指揮してのけた老人が出てくるんだけど、その才覚も過去も官府に逆らってひとり罪を背負う覚悟も決まりすぎるほど決まっていた。こういう老人を出されると大変に効く……。
明の歴史をマジで知らないが、見事な人物のキャラ立てを活かしたくすぐりが度々入って深刻さを緩める手が巧みで、とにかく先が気になり読んでしまう作品だった。