ノーラと姉のリー(強靭)はもとより、ノーラの元カレでありお互いの傷の位置を深く知っているウェス、ノーラの今カノであり恋人の過去を急激に知ることになるが受けとめる覚悟を何度も見せつつ生還のための爆弾を作ってしまうアイリスと、メインの子どもたちがとても良い。
著者は特にYA世代の子どもたちのために書いているようで、ノーラと一緒に恐怖と支配に抗ってくれるウェスとアイリスを子どもたちが知ったら、きっといい友人として記憶の中に住んでくれるだろうと感じた。
本編終了後に虐待対策のホットラインが載せてあったり、シスジェンダーの女性の中でという表現のようにトランスの存在を蔑ろにしなかったりと、フィクション-リアルのラインに非常に気を配っていて、そこも信頼の一冊になった。