第27回TARO賞は岡本太郎賞につん、敏子賞に三角瞳。10組が特別賞 https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/28491
入選22組のうち10組に特別賞って、ここに岡本太郎賞と敏子賞を加えたら入選者の過半がなんらかの賞を受賞したことになるわけで、こうなるとむしろ何も受賞してない入選者の方に将来性がある説すらありそうで──ってそれだと某VOCA展になってしまう
しかしそれにしても、TARO賞は回を重ねるごとに原始画面((C)彦坂尚嘉)・原始オブジェ化が進んでおり、関西人的にはそういうのは国立民族学博物館で間に合っておりますと言いたくもなるところですが、岡本は戦前にフランスでマルセル・モースに師事して人類学を学んでいたから、本卦帰りしてることにはなりますね
「決定版! 女性画家たちの大阪」展(大阪中之島美術館)
レビュー。女性日本画家や美人画の定説を打ち破る展覧会(評:北原恵) https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/women-painters-2023-review-202401
「決定版! 女性画家たちの大阪」展、当方は昨日見てきましたが、北原恵氏による展評記事があったんですね。これはTOKYO ART BEATの中の人がいい仕事しはりました。北原氏は1990年代に(今はなき)インパクション誌で連載していた「アート・アクティヴィズム」によって、欧米において1970年代以後前景化し今でも大きな潮流となっている現代美術+フェミニズム+社会運動という動向を日本に紹介したことで知られていますが、そんな氏の目線から見ても、「女性画家たちの大阪」展はひとつの画期をなしていたようで。
そんな氏の達意ある展評に屋上屋を架すのもアレではあるのですが、個人的にも「女性画家たちの大阪」展は決定版を自称するにふさわしい広がりと深さを持っていたように思われます。1912年に島成園(1892〜1970)が文展(現在の改組 新・日展)に入選したことがきっかけとなって大阪では女性画家が急増し、島と同世代の岡本更園(1895〜?)、木谷千種(1895〜1947)、松本華羊(1893〜?)が「女四人の会」を結成して活発に活動するようになることで単なる一過性のムーブメントにとどまらない独自の流れを得るに至るのですが、かような既存の団体展へのエントリーにとどまらない動きとバックグラウンドが1912年以前から大阪には存在していた──その意味では、江戸時代以来の南画・文人画界隈に女性も多かったことを、全五章中の一章を割いてキッチリと掘り起こしていたことは、近代日本画の(ジェンダー格差を含んだ)制度性にばかりフォーカスされがちな「女性日本画家や美人画の定説」に対するカウンターとして、非常に重要な問題提起となっていたと言えるかもしれません──ことを豊富な実作と資料によって示していたことのインパクトは、非常に大きいと言わなければならないでしょう。25日まで。
ローマ字つづり、改定見通し ヘボン式浸透、新年度以降に:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/DA3S15864587.html
訓令式からヘボン式に改定されるとのことですが、そう言えば昨日御堂筋線で見かけた「箕面」の綴りはそのどちらでもない「Minoh」でしたね。まぁ「Minoo」と綴ったために英語圏の人が「まいぬー」と呼ぶ場面に割とでくわすものですから
大阪中之島美術館 展覧会来場者数 累計100万人を達成いたしました https://nakka-art.jp/news/20240215_1m_ceremony/
ぁだからロビーに人だかりができてたんですね。してみると当方は999,600人目くらい──今日は平日なのにモネ展目当ての来場者がぼちぼち多めでしたし──だったのかもしれない
その《備忘録・日記》シリーズ、当方はLADS Galleryでの個展や天野画廊が毎年開催している「アーティフィシャルな位相」展で何度か接したことがありますが、18cm四方のカンヴァスに毎日(!)ドローイングを描くというものとなっており、《言葉のように》シリーズとは違ってどこか具象性を帯びたイメージを描くことも辞さなかったりと、松田氏の肉声をより身近に感じさせるものとなっている。最近はより自由になってきているように見え、既に大ベテランである氏が、しかし新たな位相を貪欲に求めていることが伝わって、いよいよ端倪すべからざるものとなってきているわけで、これは注目しなければならない。 [添付: 7 枚の画像]
松田彰「備忘録・日記」展|2024.3.2〜17|GULI GULI gallery.(大阪府池田市)
フライヤーが届いてました。松田彰氏、近年は貼り継ぎされた紙を鉛筆で塗りつぶす《言葉のように》シリーズを個展やグループ展で発表し続けていますが、今回はその《言葉のように》シリーズの傍らに何点か出展される《備忘録・日記》シリーズを軸にするとのこと。
会場のGULI GULI gallery.は今回初めて知りましたが(爆)、カフェ+ギャラリーといった趣の場所らしい https://www.guliguli.jp/
巨匠の“スゴ技”に驚嘆! 版画のイメージがガラリと変わるユニーク展覧会(ananweb) https://news.yahoo.co.jp/articles/161fb3e769d77430579243802b2a2bfb6aaf8dac?source=sns&dv=sp&mid=other&date=20240208&ctg=lif&bt=tw_up
少し前の記事ですが、さっき見つけた(爆)。タイトルはアレですが、実は国立工芸館(金沢市)で開催中の「印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1957-1979」展の担当学芸員さんにしっかりと語らせており、意外と良記事。先だっての北陸の大地震のために金沢21世紀美術館は休館中ですが、国立工芸館は再オープンしてるんですね。この展覧会、このあと京都国立近代美術館に巡回予定と仄聞してますので、そのときにしっかり見る予定
特別展「スーラージュと森田子龍」兵庫県立美術館で - 抽象画家と前衛書家の関係をひもとく https://www.fashion-press.net/news/114291
2024.3.16〜5.19、兵庫県立美術館。2022年に──(愛知県美術館から巡回してきた)「ミニマル/コンセプチュアル」展とほぼ同時期に(!)──開催予定だったのが延期になっていたのですが、二年経ってようやく開催されるそうで。これは朗報。
ピエール・スーラージュ(1919〜2022)と森田子龍(1912〜98)。前者は黒をふんだんに使った抽象絵画で知られ、後者は(1950〜60年代に花開いたとされる)前衛書の第一人者であり、作品の見た目の類似性が際立っている(?)のですが、そんな二人の関係は果たして同床異夢だったのか異床同夢だったのか──そのあたりに注目しなければなりますまい。
好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪