ところで展覧会に合わせて図録が青幻舎から刊行されていますが、最新の研究に基づくコラムや論考がみっちり収録されており、読みごたえ十分。むしろこっちの方が本番説すらありまして、普通にマストアイテムです。 [参照]
シュルレアリスムといいますと、人間の無意識などの非理性的な領域を様々な技法によって幻視&探究&表現していくというのが最も簡略化された一般的な理解でしょうが、この展覧会では(国際的な)美術運動としての側面も強調されることで、むしろ運動としての中央値を全国レベルで測定していくことが目指されていたと言えるかもしれません。そうすることで東京以外での動向もまた視野に入れられ──日本における、瀧口修造(1903〜79)と並ぶシュルレアリスムの運動家として知られる山中散生(1905〜77)が最も活発に活動していたのが名古屋時代だったこととか、普通に知りませんでしたし──、それまでのシュルレアリストたちの布置とは若干異なった角度から見直す材料があちこちに転がっていて(とりわけ、日本への紹介者のひとりとして東郷青児(1897〜1978)を持ってくるところは、かなり攻めている)、なかなかな知的刺激がありました。2月4日まで
当方の展覧会初めは京都文化博物館で開催中の「『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本」展。1924年にフランスでアンドレ・ブルトン(1896〜1966)が「シュルレアリスム宣言」を刊行して今年で100年になるのを機に、日本において美術家たちがいかにシュルレアリスムに向き合っていったかを、主に1920〜30年代の絵画や写真、機関誌などの各種資料によって跡づけていくというものとなっています。
「シュルレアリスムと日本」というタイトルで既に雄弁に示されているように、今回は全国各地の美術館に所蔵されている日本人洋画家や写真家、詩人、美術評論家の作品や資料だけで構成されています。しかも戦前期の日本におけるシュルレアリスムの代表作と目されている絵画がほとんど出ていない──有名どころというと、靉光《目のある風景》くらいだったでしょうか。そうすることによって、シュルレアリスムがまず何より運動体であるということ、従ってその移入と伝播の軌跡を辿り直すこともまたシュルレアリスムであることが、いつも以上に強調されていたと言えるでしょう。展覧会に接する前はシュルレアリスム絵画入門編なのかなぁと思っていたのですが、全然そんなことはなかった
「当意即妙──芸術文化の抵抗戦略」展|2024.1.12〜2.19|京都芸術センター https://www.kac.or.jp/events/34900/
・出展作家:Masking/Unmasking Life、3 AM Performance Art Collective、WART、ドキュ・アッタン、Yangon かるた
・企画:居原田遥
2021年に軍事クーデタが起こり、今なお軍政が続くミャンマーですが、そんな同国における《クーデター以降に生じたアート、映画、音楽など、さまざまな文化実践から生きる希望を見出し、政治・社会的困難と文化のあり方を考えるための展覧会》とのこと。京都芸術センターも年頭からなかなかハイブロウな企画をぶつけてきますね。上手く時間を作って見に行きたい
日程をfixできなかったし、なんか熱も出てるしで、結局行けずじまい……
QT: https://fedibird.com/@wakalicht/111582354055578904 [参照]
兵庫県立美術館で世界的画家「キース・へリング」の展示会、6mの大型作品など150点(Lmaga.jp) https://news.yahoo.co.jp/articles/ef568de89b099eac89db5672428cf5d1fc746bd5?source=sns&dv=sp&mid=other&date=20240105&ctg=lif&bt=tw_up
2024.4.27〜6.23、兵庫県立美術館。3階ギャラリーが会場ということは、企画展ではないことになりますので……
「◯◯が選ぶ展覧会」的な話題、みんな好きなんだなあ。私は展覧会見ることも仕事のはずなのに、去年は全然行けなかったので、その結果にも指くわえてるだけだけど。https://twitter.com/enakakioa/status/1742831261360738304?s=61&t=EQaGe0jZT_d0NXpWAz0BKw
いっそ逆手に「2023年、見に行けなくて悔しかった展覧会3本」とか挙げてみようかしら(懺悔)。よかったら皆さんも一緒にどうですか?
京都市教育委員会事務局:堀川御池ギャラリー棟内 元アクアスペースに係るトライアル・サウンディングの実施 https://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000320554.html
昨年10月に京都市立芸術大学の移転先(塩小路河原町一帯)に移転したギャラリー@ KCUAですが、空き家となった堀川御池の建物の再利用試案を募集しているようで。今年5月から来年2月までの期間で、施設使用料が無料なのは起業家(起業家?)的には魅力的でしょうけど、《※利用に伴い生じる光熱水費は試行的利用者の負担となります》というのがネックになりそう?
能登半島地震、Xで津波や救助要請のデマ拡散 背景に広告収益 | 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20240102/k00/00m/040/195000c
年始、挨拶回りもかねて を瞥見してましたが、アラブ人インプレゾンビと反原発インプレゾンビが跳梁跋扈していて、なかなか見るに耐えないものとなってました。この流れでならインフルエンサーがイスラエル支持を公言しても炎上しない説あるで
「アートは世界を変えられる」、村上隆が語るデジタル時代のスーパーフラット https://www.timeout.jp/tokyo/ja/art/exclusive-interview-with-takashi-murakami
昨年末に上がっていた記事ですが、さっき読んだ(爆)。村上氏、海外メディア(?)の取材ということもあってか、発言内容も変なフカシやノーガードの問題発言も少なめで──逆に、昨年国立国際美術館で開催された篠原資明氏とのトークは、それ公言してええんかいなという発言が散見されてまして──、氏の現在の問題意識を知る上で意外と良記事。最近はNFTアートにご執心のようですが、既にリアルで勝者となっている村上氏的には、昨今のNFTマーケットの収縮もどこ吹く風なんでしょうね(NFTアート、勝者がさらに勝ちを積み増すツールとしてなら、今後も有望でしょうし? )
好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪