オルガン研究という日本オルガニスト教会の機関誌に大林組の初代の息子のオルガンビルダー(情報量多すぎる)が「サント・クロチルド聖堂のオルガンはセザール・フランクの趣味で古典的なセッティングにされていた、カヴァイエ=コルは自薦オルガンリストに入れなかったしあんまりよくは思っていたのではないか」と書いており、まあ当時の人のフランクのオルガン評もそういう感じではあって(ピアノの人の弾き方だよねえ、みたいな)、事実このページの代表作欄にも当該聖堂のオルガンは書いてないし、あとサント・クロチルド聖堂のオルガンも後世の人が改造しまくっているので実はカヴァイエ=コルのオルガンを体感しに行くぞという目的からするとちょっと微妙にズレている。という事実を知りました。
カヴァイエ=コルのオルガンがおいてある教会のミサを可能な限り見るというミッションが加わってしまい、ストラテジーゲームとしての難易度が爆上がりしています
Organs of Paris https://www.organsparisn.organsofparis.eu/cc1.htm
先週は、アンドレイ・クルコフ『灰色のミツバチ』(沼野恭子訳/左右社)を読みました。
物語が幕を開けるのは、ウクライナ軍と親ロシア勢力が争う前線のグレーゾーン。その小村には主人公の半隠居した養蜂家セルゲイ・セルゲーイチ(49)と、腐れ縁の元同級生パーシャしか残っておらず送電も絶えている。ウクライナのパスポートを持つがロシア語話者のセルゲーイチは、村を出て南下するが、村の外もまた不条理で、なにもかもさだかではなく、ユートピアではないのだった……。
悲惨な境遇も描かれていますが、情けなくコミカルな場面も多く、分厚いけれどあっという間に読めました。好きな本でした。
最後のほうでミツバチが灰色になっていたり、ミツバチにまつわる悪夢を見たりするシーンでは、ふとミヒャエル・エンデ『モモ』の「灰色の男たち」を連想しました。
https://sayusha.com/books/-/isbn9784865284355
暴力と破滅の運び手 通知が壊れていることが多いためエアリプのほうがよいかもしれません