大統領師匠「はんなま砦は夜更けまで」ネタバレ
なみの中の、歪んでしまう前の子供時代の自分のイメージ。
純真無垢で、本人は優しい子なんだけど人の気持ちが全くわからないし、したいようにしていると周囲からは化け物と見なされてしまう、そういうあみ子を自分の中に抱えているところを見ると、なみはかなり自分の気持ちを抑え込む子供時代を送ったのではないか。
あみ子という命名からして、発達特性があってもおかしくないし。
自分の中の子供をどうするか、というテーマが見えてくるので、終演後の「子育て三部作」という言葉にはさもありなんと思った。
(なみのあみ子への接し方と、そこから透けて見えるなみに対する親の接し方の方が「子育て」というキーワードには直結しそうだけど)
大統領師匠「はんなま砦は夜更けまで」ネタバレ
これは姉に対する罪悪感から精神のバランスを失ってしまった百合の、自己治癒の物語(実際、彼女の精神世界の登場人物は彼女の書いた物語の登場人物でもある)なのだけれど、なみとあみ子を追い出すことがほんとうに最善のやり方だったのかなあ、白百合のように無辜な自己イメージを守り抜いて、自分がヒロインである物語の中で生きていくのでいいのかなあ、という懸念を残す終わり方でした。
面白かったです。