日本は人口ボーナス期かつ20世紀後半の繁栄期に、人文系の学術を論文ではなく幅広い商業出版物で実現したが、今はその基盤ごと崩壊過程にある。この成果は、反国家主義マインドがゆるく共有され、また社会主義圧政に対する消費の勝利でもあった。しかしそのモードごと90年代から00年代にかけて狭義の新自由主義になだれ込んだと言えて、「そう名乗っていないだけ・認知されてないだけ」のエリアが多いと思われる。批評空間初期とか幻冬舎とか。
ポストモダン=消費主義=胡乱、とみなす岩波論壇型のストーリーはこの点を見ないで済ましているのだが、その盲点がカルチャー認識の粗末さと相互に根拠づけあっているところがある。「消費に耽るなんて堕落だ」といった価値観。
見田宗介の理想の時代/虚構の時代の対置にも、ミソジニーとマチズモ混じりでは?(消費は女々しいからダメ、団塊左翼マチズモが政治、という予断)という疑念がある。
エピステーメー/現代思想/GS〜インターコミュニケーション/批評空間などと整理すると見落としてしまうものには、「洋泉社や河出が出していた、アートやカルチャーを扱うムック」があるように思っている。谷川渥や若桑みどりはこの媒体のスターだった。議論内容はいま触れるなら学知を全部上書き必須だが(西洋美術中心すぎとかポピュラーカルチャー欠如しすぎとか)、こういうムックは現在なくなっていて、欠落ごと不可視になっている。
(それらムックの例)https://jp.mercari.com/item/m59192078784?utm_source=ios&utm_medium=share&source_location=share https://jp.mercari.com/item/m65076410699
日本は雑誌と書籍のマーケットで繁栄期を謳歌し、学術と商業出版の二重体制を構築していたのだが、00年代後半ぐらいから商業活動展開に歯止めがかかり、バランスが崩れたところがある(一時代のバランスはわりとそのぐらいの数十年スパンで壊れがち)。
日本でビジュアルカルチャースタディーズが全然浸透しない印象があるが、かつて読み物優位で言説が構築された結果、現在は出足が遅れる原因になっているのかなとか。
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