90年代の木城ゆきと『銃夢』にもこういう南北格差っぽい要素の投入(ユートピアに住む天上人とそこから落下するゴミでできた下界の都市)はあったが、いかんせん日本がまだ貧しくないから、今見ると作品にリアリティが全然ない。
「転生日本人が野蛮人じゃね」とする契機はけっこうすでに実作で展開されてて、『家つくりスキルで異世界を生き延びろ』では転生者が「ニホン族」と呼ばれ、乱暴行動によって疎まれつつ、一部の現地民から羨望される、という扱いになっていたりする。主人公はニホン族だとバレないように隠れて活動する感じ。ニホン族は、男女ともに性欲原理で行動しているのが多かったり。
コミックゼノンでやってる『豚の復讐』(原作付きだが漫画オリジナル)は、クラスメート転移もので、41人ほど異世界に転移しているが、いじめられっ子主人公以外のクラスメート全員が現地で暴虐の限りを尽くしていて、現地民と結託してクラスメートを殺す話になってる(シナリオはめちゃくちゃ単調だが、ヘイトと充足の回路だけで回してるのでそこそこ人気)
今なら、ナイロビが置かれている状況と日本の貧困を並べる感覚もあるはずだから、ナーロッパを、西欧というよりはナイロビに寄せて練り込む契機も増えるだろう。