#浪曲
【木馬亭二月定席初日】2024年2月1日(木)12:15~16:10
今日は曲師・沢村豊子師匠の数え米寿のお祝い公演(本当は先月に予定されていたが豊子師匠がインフルエンザで延期)とあって、木馬亭の前にはいくつも花が出て、館内も平日にもかかわらずほぼ満席の熱気。演者はそれぞれが豊子師匠への思いやお祝いの言葉をマクラに口演を務めていき、本日の目玉であるトリの奈々福さんの新作「沢村豊子解体新書 たーへるあなとよこ」は幾重にも工夫の凝らされた、愛溢れる(でもよく考えたら可笑しいったらない)素晴らしい一席だった。
奈みほ・豊子「松山鏡」
志乃ぶ・美「みみず医者」
綾那・博喜「貝賀弥左衛門」
恵子・貴美江「千両みかん」
~仲入り~
一太郎・美「大高源吾 腹切魚の別れ」
講談 安久鯉「水戸黄門記 出世の高松」
琴美・貴美江「燃える絆」
奈々福・豊子「沢村豊子解体新書 たーへるあなとよこ」
でも、ほかの演者も好きな人がたくさんでとてもよかったのだー。
奈みほさん、DV亭主とか、お花畑の平和主義とか、現代的なくすぐりを入れつつ、それが全然浮いた感じがなく、本当に面白い。声ものびやか。がんばれ。
志乃ぶさん、若手の中ではとくに応援している。甲高くない声と、節回しと、女賭博師みたいな風貌と、ソウルを感じる唸りがいいなあ。
綾那さん、久しぶりだけど、この人はやっぱり気になる。ハスキーなアルトの声。強い目力。ありありと浮かぶ場面描写。今度独演会に行ってみたい。
恵子さんは初めて。かなりご高齢。落語でもよく聞く千両みかんだけど、この若旦那がいかに乳母日傘で大事に大事に溺愛されて育ったか、という部分を丁寧にやったので、そのあとの展開への納得が大きい。落語もこういうやり方すればいいのに。
一太郎さん、魚の「このしろ」が「腹切魚(ふくせつぎょ)」と呼ばれて武士に嫌われていたとは知らなかった。
安久鯉さんはやっぱりいいなぁ。語りは繊細だけど、なんかお人柄に豪快なところがありそうで、なつきたくなる。
琴美さんは風邪で声の調子が悪そうだった。